日本工業経済新聞社(群馬)
2022/06/30
【群馬】火葬場基本設計まとまる
藤岡市は桂設計(東京都新宿区)がまとめた、新火葬場建設基本設計の成果を明らかにした。建物はRC造一部S造平屋、延べ床面積は車寄せに設置する庇部分含め約1555uの規模となる。火葬炉は4基設置する。2022年度は施設建設に向けた都市計画決定を目指す。23年度は基本設計を受注した桂設計に実施設計を随意契約で委託予定。24年度に工事着手し、25年10月の供用開始を目指す。
新火葬場は中栗須145−2ほか2筆の敷地3233uに建設する。延べ床面積は1554・95u。内訳は施設本体が1379・73u、車寄せ庇部分は175・22uとなる。概算工事費は約12億円を見込む。
周辺環境に配慮するため、建物の高さは8・1mとし、さらに上部外壁を傾斜させることで圧迫感を軽減させる。また、住宅地側については、平屋住宅と同程度の軒高に抑えた勾配屋根となる。
内装は県産材の使用も視野に入れ、温かみのある雰囲気を創出する。各30人程度を収容する告別兼収骨室を2室整備するほか、待合室2室、会葬者の更衣や少人数の待合室としても利用可能な多目的室も配置。また、霊安室の整備も計画している。
このほか◇エントランスホール◇事務室◇業者控室◇機械室◇炉室◇残灰室◇制御室◇休憩室◇売店◇男子便所◇女子便所◇多機能便所−などを設ける。
火葬炉4基は台車式。排ガスは熱交換方式により200℃以下まで急速冷却しダイオキシン類の再合成を防止する。煤塵捕集はバグフィルターで行う。また、ダイオキシン類を無害な水と二酸化炭素に分解する触媒装置を設置するなど、現火葬場にない排ガス設備を設置し周辺環境に配慮する。待合室や多目的室は、各室の運転を個別に操作できることや、入人数による冷暖房負荷が異なることを考慮して個別式空調方式(マルチユニット)を検討。マルチユニットの屋外機は対応した系統に近い場所に設置する。共用部はエアハンドリングユニットを検討。エアハンドリングユニットは空冷電気式とし、中央熱源は設置しない。
換気設備について待合室、多目的室、事務室などは個別運転ができるよう全熱交換器ユニットの設置を検討。共用部は直膨式エアハンによる温調外気の給気および室内空気の還気、便所などの排気を踏まえエアバランスを確保する。
大便器はフラッシュタンク式で、手をかざして洗浄するセンサーリモコンとし、停電時でも点検口から手動で洗浄できるタイプを採用する。
給水は東側道路に敷設されているφ100oの水道本管から、φ50oで引き込む。汚水、雑排水は屋内分流方式とし、屋外桝で合流させ、東側道路に敷設されているφ200oの下水道本管に接続させる。接続管はφ150oとし、公共桝を新設する。
給湯については局所給湯方式を採用。便所の洗面器やミニキッチンには貯湯式電気温水器、シャワーを使用する箇所はガス給湯器を設置。ガス給湯器は潜熱回収型(屋外設置)とする。
既存第2、第3駐車場は舗装補修およびラインの引き直しを行い、引き続き駐車場スペースとして使用。このほか、既存火葬場の偕同苑(藤岡770)を解体し、アスファルト舗装とライン引きを行い、駐車スペースとして整備する。駐車可能台数は94台を見込む。
偕同苑の解体は新施設供用開始後の25年度中に実施する見通し。偕同苑は火葬棟と式場棟で構成。火葬棟がRC造平屋、床面積487・15u、式場棟はRC造2階建て、延べ床面積527・45uの規模となっている。
新火葬場建設用地と第2駐車場に挟まれた位置を西から東に向かって流れる水路には蓋をかける。第2駐車場から新火葬場の車寄せスペースに進入する箇所には幅約9000oのボックスカルバートを敷設して水路を渡る。また、新火葬場建設用地外周には緑地を設けることで周辺環境に配慮する。