建通新聞社(神奈川)
2022/06/28
【神奈川】レンドリースなど リーフみなとみらい取得
世界各地で大規模開発プロジェクトを進めるレンドリース(オーストラリア)は、年金基金運用会社のPGGM(オランダ)と設立した不動産ファンドの第1号物件として、横浜市西区にある延べ床面積約4万5000平方bの商業施設「リーフみなとみらい」を取得した。取得先はヒューリック(東京都中央区)。取得価格は明らかにしていない。
「リーフみなとみらい」の所在地は横浜市西区みなとみらい4ノ6ノ5の敷地5500平方b。みなとみらい線のみなとみらい駅と新高島駅から徒歩約3分という。
建物の規模は鉄骨造・鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造地下4階地上12階建て延べ4万5955平方b。2004年に完成した。核テナントとして地上4〜7階にヤマダデンキ(群馬県高崎市)が運営する家具店「IDC OTSUKA 横浜みなとみらいショールーム」が入居する他、店舗やクリニック、オフィスが賃借している。地下階には駐車場を配置し、収容台数は209台。
レンドリース、世界のベイエリア開発で存在感
レンドリースは1958年に設立した。現在、オーストラリア国内では、メルボルンの臨海地域約30fを開発し、延べ26万平方bのオフィスや5000戸以上の住戸などを提供する「ビクトリア・ハーバー・プロジェクト」をはじめ、5件の大規模な開発を手掛ける。
さらに、ロンドンの運河に面した地域20fで延べ41万平方bのオフィスと住戸3000戸、2万3000平方bの商業施設を開発するなど、オーストラリア内にとどまらず国外でも10件以上の大規模開発プロジェクトを進めている。20〜30年をかけて広大なエリアを開発していく手法を採り、特にベイエリアやリバーサイドの開発が多い。
88年には日本の拠点としてレンドリース・ジャパン(東京都港区)が事業を開始。高さ216bの超高層オフィスビル「汐留センタービル」建設でプロジェクトマネジメントを務めるなど、コンサルティングやマネジメント業務を中心に実績を重ねてきた。
近年はインターネットインフラの開発や運営を手掛けるプリンストン・デジタル・グループ(シンガポール)と共同でデータセンターを開発するなど、不動産開発の分野でも事業拡大を目指している。今回のPGGMとの不動産ファンドでは、日本とオーストラリア、シンガポールの不動産を対象に投資し、経済活動の拠点を作ることを目的とする。
第1弾の投資物件があるみなとみらい地区について、自動車や半導体メーカー、化粧品メーカーなどの大手企業がグローバル本社や研究開発拠点を移していることから、次世代のイノベーション拠点と評価。日本担当のマネージングディレクターを務めるアンドリュー・ガウチ氏は今回の物件取得について、「当社が世界で培った知見を日本の不動産投資・開発事業で活用できる機会に恵まれた」と述べており、賃貸収益を得るだけでなく、街の魅力を最大限に引き出す拠点づくりを目指す。 提供:建通新聞社