富山県建築士事務所協会、富山県建築士会、日本建築家協会(JIA)北陸支部富山地域会が主催する建築設計三会共同事業2022「防災フォーラム」が25日、富山市のグランドプラザで開かれ、防災意識の高揚や建築士の役割を市民に理解してもらう機会とした。
「建築士の日」(7月1日)にあわせて開催された同フォーラムでは、展示コーナーや体験型イベントなど様々な企画が催される中、稲葉伸一県建築士事務所協会会長が進行役を務め、新田八朗知事と藤井裕久富山市長が登壇し「とやまの防災これから」をテーマにした鼎談(ていだん)も行われた。この中で、先日の最大震度6弱を観測した能登半島沖地震に触れ、新田知事は「呉羽山断層帯による地震が、いつ発生してもおかしくない。万が一発生した場合、県内全約39万戸のうち約25万戸が全半壊するという調査結果がある」と憂慮。稲葉会長が「県内には古い、危ない家がたくさんある。富山県民の防災意識は、全国一低いと言われている」と指摘したのに対し、藤井市長は「富山市では耐震改修した際に上限100万円、要した費用の5分の4を助成している。まずは専門家である建築士に相談してもらいたい」と薦めていた。
展示コーナーでは、富山県瓦工事業協同組合が「地震・台風などに強い防災瓦」、富山倉庫富山ドローンスクールが「防災ドローン」、日本海ガスが「家庭用燃料電池エネファーム」、YKK APが「マドまわりの防災・耐震関連商品」などを紹介。セイエー防災の「起震車による震度体験」やヤマイチの「優しいアウトドア防災教室〜テント編」といった体験型イベント、県建築士事務所協会の住まい相談など多彩な催しで、終日大勢の来場者でにぎわっていた。
富山県と県内15市町村が後援した。