建通新聞社(神奈川)
2022/06/24
【神奈川】県企業庁 水管橋点検にドローン
神奈川県企業庁は、業務のデジタル化を加速する一環で本年度、施設点検や工事の施工管理のリモート化・自動化、現場業務のデジタル化、さらに経営基盤の強化に向けたDX(デジタル・トランスフォーメーション)の中長期的な取り組み方針の検討などを進める。水道施設の維持管理では本年度、水管橋の点検にドローンの活用を開始。近接目視が困難な箇所の点検を強化し、維持管理の高度化、効率化を進めるのが狙いだ。
昨年度に和歌山県で起きた水管橋崩落事故を受け、神奈川県企業庁も維持管理の重要性を再認識し、人が近づいて目視で確認することが困難な水道施設の点検にドローンを活用することを検討していた。
昨年度の試行結果として、企業庁職員がドローンを操縦して点検を行えることが分かったため、本年度新たに3水道営業所にドローンを配備し、点検業務で試行する。
遠隔臨場の試行も始める。水道営業所や浄水場、ダム管理事務所にウェアラブルカメラを配備し、漏水や災害現場など緊急対応が必要な業務、臨場回数が多い電気設備工事などの現場業務に活用する。県土整備局が土木工事の全件で遠隔臨場の試行を始めるなど、取り組みが拡大しつつあり、「まずは、職員が使ってみたり、受注者に貸してみたりして、できるところから試行を始める」(企業庁水道施設課)考えだ。
企業庁業務のDX化も推進する。中長期的な基本方針を策定するため、本年度に技術的な手法や費用などの基礎調査を行い、23年度に基本方針を取りまとめ、取り組みをスタートさせる。各データのプラットフォームとなる県のコンピューターセンターを通じ、業務の枠を超えたデータの連携・活用を目指す。工事業者が電子申請や図面の閲覧、施工管理に活用できるようにする他、管路情報システムや工事積算システム、給水装置工事管理システムなどの工務系システムなどのデータ活用も検討する。 提供:建通新聞社