日本工業経済新聞社(群馬)
2022/06/21
【群馬】県企業局発電課 四万発電所の更新事業 7月に躯体実施設計
県企業局発電課は中之条町四万地内の四万発電所で進めている全面リニューアル事業について、7月をめどに指名競争入札で建屋建築などの実施設計業務を委託する。建屋内は発電機や制御装置が設置されており、規模は既存建屋と同規模になる。リニューアル事業の実施設計は北電技術コンサルタント(富山県富山市)がまとめているものの、対象とならなかった躯体について設計を取りまとめる。
四万発電所は1961年に運用を開始した施設で、四万川から取水し放水することで発電している。リニューアルは老朽化した施設への対応と電力の固定価格買取制(FIT)による収益増加を目的としている。
今回の実施設計業務は、北電技術コンサルタントがまとめた実施設計では触れていない建屋の躯体が対象。更新する既存建屋は発電機や制御装置が設置されている。構造はRC造で、高さ約19m、10・2m×12・3mの規模。新たに建設する建屋は立地場所を変更せず、施設規模も同様になる見通し。建屋の建設工事は2023年度以降に発注となる。
既存建屋の解体は、3月に不調となっていた発電機部分の土木工事で行う。再公告は7月ごろになる予定。工事は、発電所躯体工RC造802立方m、水車発電機の基礎工がバレル式で541立方m、野外発電所基礎工がφ500o杭基礎21本、鉄管路改修391立方mなどとなる。工事費は6月補正予算で債務負担行為15億8500万円を設定した。また、当初予算に土木工事費などで11億4300万円を確保している。
20年度に着手している同事業は、当初の計画では24年10月1日の運転再開を目指して各種工事を進めている。同発電所のリニューアル事業はこれまでに、取水堰堤補修や取水堰水門更新、放水口土木、導水路更新、水圧鉄管更新、水車発電機更新を発注済み。工期はいずれも24年度までとなる。
このほか、沼田市内の白沢発電所でも同様に設備更新を計画。22年度内にリニューアル工事に着手する見通しを示している。また、前橋市内の関根発電所でも更新工事が計画されており、22年度の下期に工事発注となる見通し。