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建通新聞社四国
2022/06/21

【高知】県のICT 農業・林業土木でも拡大へ

 高知県議会の6月定例会で一般質問が行われ、ICT活用工事の導入状況と見解について農業振興部と林業振興・環境部、土木部の各部長が報告した。これまでICT活用工事の実績がない林業振興・環境部では、中村剛部長が「3月に国が策定した森林土木のICT活用工事の試行実施要領を参考に、工程や積算方法を検討する」と述べ、早期に導入開始する意向を示した。
 中村部長は「森林土木工事は周辺を山で囲まれた現場が多く、人工衛星からの電波受信が不安定でICT技術の活用が困難だった」と同部発注のICT活用工事の実績がなかった理由を説明。その上で、国の試行要領では「ICTを活用できる工程を選択できるなど、人工衛星の電波が届かない場所でもICTが実施できるような仕組みが提示されている」と述べ、「森林土木でもICT活用工事を積極的に導入する必要がある」との見解を示した。
 杉村充孝農業振興部長は、県がICT活用工事を試行導入した2017年度以降、実績が4件にとどまっていると説明し、「ICTに対応できる技術者が少ないことと、ほ場整備では着工後に地権者の要望による設計変更が多く、3次元設計データの修正といった負担が大きい」と課題を挙げた。22年度は「四万十町でのため池工事をモデルに、農業土木職員や建設業協会を対象とした研修会を開くなど技術力の向上に努めたい」と述べ、林業振興・環境部と同様に積極的に導入する考えを示した。
 荻野宏之土木部長は、「17年度以降毎年約2倍のペースで実績が増加している」と説明し、「今後は小規模事業者への拡大に取り組みたい」との方針を述べた。
 武石利彦氏(一燈立志の会)の質問に答えた。
提供:建通新聞社