北海道建設新聞社
2022/06/17
【群馬県】県安中土木は碓氷川中宿工区河川改修事業の樋門新設詳細設計まとめる
県安中土木事務所は安中市松井田町人見地先で碓氷川の河床低下対策工事として実施する上流側の床止工1基の設置工事について、7月下旬の条件付き一般競争入札での公告を目指している。工種は土木一式で発注する。下流側についても床止工1基の新設を計画しており、上流側での工事の進捗を見て発注時期を検討する。詳細設計はパシフィックコンサルタンツ(東京都千代田区)がまとめた。
河床低下対策は人見地区を含めて9地区で計画。碓氷川における河床低下の発生は水位の上昇、低下による乾湿が繰り返されることにより河床の岩盤が風化することが原因となっており、全国的にも珍しい事例だという。構造物を設置する工事は今回の人見地区が初弾工となる。
人見地区では、区内に架設されている久保井戸浄水場水路橋橋脚が洗堀されるとともに川底が低下し、橋脚基礎部が露出している状況となっている。
対策として、安中市道橋の碓氷大橋下流側で、魚道を備えた床止工を2基新設する。また、2基とも右岸側には延長8・5m、幅8mの魚道をφ300o内外の自然石を使用して、植石で設置する。
22年度は碓氷大橋直下流で工事を行い、23年度は左岸側に設置されている消波ブロックの下流側で実施する。22年度に整備する床止工は幅25・2m、高さ2・2mの規模となる。水叩き部分を含め約542立方mのコンクリートを使用して新設。水叩きは型枠を設置した後、型枠の中に鉄筋を組み、コンクリートを打設して仕上げる。鉄筋はひび割れ防止のため、約10t使用する。
下流側に新設する床止工は水叩き部分を含めてコンクリート約554立方mで築造する。水叩き部分の鉄筋量は約11t。
18年3月にまとめた碓氷川河床低下対策計画案によると人見地区を除いた8地区の対策優先度と対策案は◇原市地区(烏川との合流点から上流へ10・8q)=優先度C、床止工◇磯部地区(同14・7q)=優先度B、床止工またはネット工+置き土工◇松井田町八城地先@(同21・7q)=優先度B、沈床工(置換工含む)+置き土工◇松井田町八城地先A(同22・3〜22・6q)=優先度B、沈床工(置換工含む)+置き土工◇松井田町新堀(同23・3〜24・2q)=優先度B、床止工+置き土工◇松井田町五料瀧名田(同23・9q)=優先度B、床止工+置き土工◇松井田町五料石ノ久保(同24・3q)=優先度C、床止工または水制工、置き土工◇松井田町横川小山沢〜松井田町横川久保(同26・9〜27・2q)=優先度C、床止工または水制工、置き土工。
なお、残る8地区での工事は、人見地区に整備する床止工2基の整備効果について、モニタリングを行い検証。その後、碓氷川河床低下対策検討部会(部会長=清水義彦群馬大学大学院理工学府教授)を開催し、碓氷川河床低下対策計画案の修正を行い、修正した計画を基にハード・ソフト対策を進める方針としている。