日本工業経済新聞社(群馬)
2022/06/16
【群馬】県利根沼田農業事務所の2022年度事業概要
県利根沼田農業事務所農村整備課(塩谷玲子課長)は2022年度の事業概要を明らかにした。牛の平地区は2億6848万円の事業費で第2工区での区画整理工などを計画。上半期中の発注を目指す。北ろく赤谷地区では、石綿管から塩化ビニル管などへの敷設替えを進めており、管路工や本復旧工を引き続き行う。事業費は2億7443万円。このほか、赤城原地区で進む管路工事の本復旧工などを計4地区で6億6822万円の全体事業費を確保した。
牛の平地区は周囲を山に囲まれた約20haの農地。花豆やとうもろこしなどといった農作物を中心とした山間農業地域だが、条件不立地であることや農業用水施設が整備されていないことに加え、農業者の高齢化も重なり、遊休農地化が課題となっていた。事業全体で14・6haの区画整理を計画している。1〜3工区を分けて年度ごとに事業を進める。同地区の工事は21年度に初弾工を発注している。
22年度は第1工区の工事の進捗を見ながら、第2工区で区画整理工を発注。このほか第1工区で、延長600mの管路工発注を見込む。
北ろく赤谷地区、赤城原地区では、ともに既存石綿セメント管を対象に塩ビ管などへの敷設替えを進めている。既存管撤去のほか、これまでに仮舗装を手掛けた箇所での本復旧工事も平行して行っている。
北ろく赤谷地区での工事は◇分割1号=管路工1200m◇2号=本復旧工2200m◇3号=本復旧工2300m◇4号=本復旧工2000m−。本復旧工は旧管撤去も含み発注する。
赤城原地区は本復旧工を1件につき1400〜2000mの延長で、3件の発注を見込む。旧管撤去も含んでいる。
また、追貝平1期は1974年に県営かんがい排水事業で完成した地区で、老朽化する各施設の補修に向けた測量設計業務に着手する。事業費は1440万円。全体計画では、隧道1063mのうち、388mの補修や開水路補修78m、調整池補修などを計画している。測量設計は7月ごろに委託。設計業務をもとに2023年度から2カ年で工事を行う予定。
隧道は高さ1・65m、幅1・3m。開水路は現場打ちで3面張りとなり、高さ0・65m、幅1・5m。調整池はコンクリートなどを断面修復で補修する予定。
昭和村の追分・松之木平地区は管路更新などを計画。22年度は事業費300万円で、事業計画策定業務を委託する。23年度の事業採択を目指している。管路整備により、農業者や地域住民の健康障害の未然防止と農業生産の安定を図る。
赤城北ろく用水に位置付けられている昭和村赤城原、糸井地内の追分・松之木平地区のかんがい施設は、1960〜64年に県営開拓改良事業により造成されたもので、取水工、貯水池および幹線用水路、畑地かんがい施設、営農飲雑用水施設がある。施設は築造から50年以上が経過しているため劣化が進んでいる。
事業範囲は追分工区143・8ha、松之木平工区47・7haの合計191・5ha。概算事業量は総延長が延長2万1100m。内訳は、追分工区がφ75o〜300oの管路で延長1万8900m、松之木平工区はφ75o〜φ250oの管路で延長7000mとなる。工事内容は、硬質塩化ビニル管の管路更新工および既設石綿管撤去を予定する。