鹿児島市水道局は、下水処理の過程で発生する汚泥を利用した有機質肥料「サツマソイル」の製造を行う下水汚泥堆肥化場の施設更新に関して、2031年度から2カ年で進めたい考えだ。51億円規模の事業費を想定。15日、市議会定例会で片平孝市議員(市民連合)の個人質疑に対し、鬼丸泰岳水道局長が答弁した。
施設の所在地は谷山港3丁目2−4。1981年に運転を開始し、処理能力110t/日となっている。老朽化に伴う更新時期にあるほか、「下水汚泥のエネルギー利用」などといった技術の創出も踏まえて新たな処理・処分方法も視野に入れながら施設の再構築を検討していく。
片平議員は老朽化が進行する現状に触れ、更新計画を確認。鬼丸水道局長は、具体的な施設規模等について社会経済情勢などを踏まえ今後検討していく方針を示した一方で「現在と同規模の施設として更新した場合の事業費は約51億円と試算している」とした。
事業は、2022年度から期間がスタートした第2期上下水道事業経営計画に掲げており、更新の具現化にあたって事業費を踏まえた官民連携の検討も計画している。
■田上小周辺面的整備
防災対策等の調査へ
中元克明議員(自民党市議団)は、田上小学校周辺面的整備の調査検討事業について質疑。市の動きを見ると、約52.4haを対象とする基礎検討業務(アジア航測)が完了した中、次のステップとなる防災対策や交通量の調査を行う業務入札を27日にも執行する予定となっている。
答弁に立った吹留徳夫建設局長は、地域の課題抽出ほか検討事項を整理した上で、改めて23年度以降に土地区画整理事業に関する基本構想・基本計画の策定に向けた調査を行う考えを示唆した。