日本工業経済新聞社(群馬)
2022/06/14
【群馬】資材調査頻度を変更 県建設企画課
県建設企画課は建設資材価格などの高騰を受け、資材基礎単価に対する調査頻度を引き上げる。これまで年4回の調査頻度であった道路標識やネットフェンスなどは毎月の調査へと変更するほか、生コンクリートやアスファルト合材は年4回から6回へ調査頻度を増加する。新たな運用方針を反映した基礎単価の価格改訂は一部で7月から開始となる。今回の変更が資材価格高騰の対応に苦しむ建設業界への一助となることが期待される。
資材調査頻度の変更は、昨今の原油価格や建設資材価格の高騰を受け行うもの。加えて国交省が4月26日付で、公共発注者へ適切な価格転嫁に向けて資材単価の改訂を月ごとに適時に行うことや、状況等を踏まえて価格設定のための調査時期の前倒し・頻度増加などの対応を要請する通知している。
先月公表された群馬県建設業協会(青柳剛会長)の価格高騰に関するアンケート調査によると、「建設資材の価格高騰による影響が出ているか」の問いに、9割を超える会員企業が「出ている」と回答するなど、厳しい状況が課題となっていた。こうした状況を改善するために、県では資材の基礎単価に対する調査頻度を増加させる方針を固めた。
調査頻度の変更に合わせ、基礎単価の改訂月も調整。調査頻度が年4回、改訂月が4月、7月、10月、1月であった◇道路標識◇ネットフェンス◇道路反射鏡◇ふとんかご◇かごマット◇乾式止水材◇落石防護柵◇組み立て式マンホール−などは、調査頻度と改訂月を毎月へ増加する。
同じく年4回の調査頻度だった生コンクリートとアスファルト合材は、年6回へ増加。これに伴い改訂月も変更する。22年度は7月、9月、11月、1月、3月で実施、23年度からは4月を初回とし偶数月の改訂へと移行する。
調査頻度が年2回、改訂月は4月と10月であった◇群馬県型管渠型側溝(GBX)◇落蓋式側溝(GPU)◇歩道境界ブロック◇L型擁壁◇砕石◇石材−などは、調査頻度を年4回にあげ4月、7月、10月、1月を改訂月に設定する。
一方で廃材処理費や運搬費については、従来通り調査年1回として4月度を改訂月としている。また、すでに毎月調査を行っている◇燃料◇セメント◇型枠用合材◇電線◇ケーブル◇機械賃料(クレーン・発電機など)◇鋼材◇鉄筋コンクリート◇仮設材賃料◇土のう袋◇アスファルト乳剤−については、変更を行わない。
資材調査は、刊行物などを基に調査を実施。生コンクリートやアスファルト合材といった地区別単価が存在する資材は、県独自の単価を設定している。改訂月の前月上旬に調査を行う。また、価格に大きな変動が見られない資材などには前回調査の価格を据え置く。
調査頻度の変更に対し建設企画課は「市場価格に即した単価設定を行えるように努めていきたい」とコメントした。