ウエノ(高岡市問屋町、上野貴司代表取締役)は10日、富山国際大学現代社会学部の上坂博亨教授のゼミが行う学外実習に協力した。
同社は、学生に実務を経験してほしいと昨年から学外実習を受け入れている。この日は、ゼミの3年生8人が参加した。「小水力エネルギー研究の基礎実習」として農業用水の水位・流量観測を、同社そばを流れる井口八ケ用水路に組み立てた仮設の観測所を用い実施。基本的な河川情報の観測方法について学んだ。
座学で、水位観測に使う水位標や水圧式水位計の取り扱いや、流量観測の浮子法、プロペラ式流速計、電波式流速計の3つの手法についての説明を受けた後、現場に移動。仮設の観測所で座学で学んだ水位観測と流量観測を、同社の社員の指導を受けながら順に試みた。流量観測のうち浮子法では、ピンポン玉を浮子にして用水の5メートル間の時間を計り、数値を計算書に記入して流量を算出した。
上坂教授は、「学生たちは教室で、ある程度のことは学んでいるが、実際の現場で学ぶ機会はほとんどないし、方法は知っていても、実践できるかは分からない。きょうは貴重な機会だ。一般企業で働くみなさんと一緒に現場で活動できる意義も大きい」と話す。
上野代表取締役は、「『暑い、重い、危ない』とか理論だけでは感じられないこともある。日頃から業務としてやっている技術系のスタッフから直接聞いて参考にしてほしい」と学生に語りかけ、「日頃、身に付けた学問を高めるため、現場を提供するという実務的な面で今後も支援したい」と教育機関への協力に意欲を見せる。