建通新聞社(静岡)
2022/06/10
【静岡】静岡モデル防潮堤 22年度中に次期目標設定
静岡県と静岡県内の市町が遠州灘・志太榛原地域で進めている「静岡モデル防潮堤」が計画延長の51・5%まで整備された。数10年〜数100年に1度襲来するレベル1を超える津波から沿岸域を守るために始まったこの事業は、2022年度末で開始から10年が経過する。22年度末の整備目標まで残り1・9`と目標達成が近づいていることを踏まえ、県は22年度中に来年度以降の新たな整備目標を設定する考え。
静岡モデル防潮堤の整備は、沿岸域に人口・資産が集中している静岡県の特性を踏まえ、レベル1を超える津波の被害を軽減するため、県と市町が連携して進めている。レベル1に対応した防潮堤の背後地で、公共工事の残土を活用した海岸防災林の嵩上げ、海岸堤防の盛土などを市町が主体となって実施している。
県は、県発注工事で発生する建設発生土や、国土交通省、中日本高速道路会社の事業で発生する土砂などを提供し、市町主体の防潮堤の整備を支援している。
静岡モデル防潮堤の計画延長は、遠州灘・志太榛原地域の69・2`。県が策定した「地震・津波対策アクションプログラム2013」では、22年度末までに37・6`(計画延長の54%)を整備する目標を定めており、21年度末時点で35・7`(51・5%)の整備が完了した。
最初にモデル防潮堤の整備に着手した浜松市では、一条工務店が寄付した事業費300億円で、延長17・5`の本体工事を20年3月末までに完了。御前崎市も計画延長1・7`で防災林のレベル1津波相当の防災林の嵩上げを18年度で完了した。
計画の最終年度となる22年度も、磐田市がCSG工法(Cemented Sand and Gravel)を採用する区間を県が受託して工事に着手するなど、22年度末の目標達成の見通しが立っている。
県は、アクションプログラムの計画期間が終わる22年度末までに、23年度以降のプログラムを策定する。この中で磐田市、掛川市、袋井市、湖西市、牧之原市、焼津市、吉田町の7市町の未整備区間についても、新たな整備目標を盛り込む考えだ。