建設新聞社
2022/06/09
【東北・秋田】中国木材が能代工場初弾の製材工場を起工
製材大手の中国木材(広島県呉市広多賀谷3の1の1 堀川智子代表取締役社長)は、能代市の県営能代工業団地に建設する能代工場のうち、初弾工事となる製材工場の起工式を8日に執り行った。施工は東亜建設工業、実施設計はアップ・ストリーム・コンストラクション。
中国木材は、木材の製材および乾燥材・集成材の製造、木材の物流・販売・輸出、プレカット加工、原木および製材製品の直輸入のほか、山林経営や木質バイオマス発電も展開しており、東北での工場建設は初。
能代工場は、3つのエリアに分け順次着工する計画。エリア1は14万9230平方bで、今回着工する製材工場の用地とする。工場はS造平屋建て、延べ約2万5000平方b。2024年1月の試運転開始、4月の本稼働を目指す。
エリア2は10万3500平方b。ここに設ける加工・集成材工場と事務所はアップ・ストリーム・コンストラクションで設計中で、施工者は未定。加工・集成材工場は製材工場よりさらに大規模な施設となる見込みで、加工工場部分は24年4月、集成材工場部分は同年10月の試運転開始を目指す。工場で発生する樹皮やおがくずなどで発電する発電燃料施設も設けるが設計者、施工者とも未定。
エリア3は5万1250平方bで、天乾場(天然乾燥場)として造成、整地する。総事業費は用地費も含め約286億円。
神事では、斎鎌を中国木材の堀川保幸代表取締役会長、斎鍬をアップ・ストリーム・コンストラクションの東功代表取締役会長、斎鋤を東亜建設工業の秋山優樹代表取締役会長が執り行い、工事の安全を祈願した。
中国木材の堀川智子代表取締役社長は、今回の工場建設について、「大規模な土地や水の確保が可能で、港湾が近いこと、森林資源が豊富なことなどから能代市への進出を決めた。円安で国産材が外材に比べ相対的に優位になりつつある中、注文に生産が追い付いていない状況にあり、この地で生産拡大を目指す。原木の仕入れ業者には植林もお願いし、林業の再生を図り、国産材を盛り上げていきたい」と語った。
提供:建設新聞社