日本工業経済新聞社(群馬)
2022/06/08
【群馬】県土整備部が2022年度予算試行方針示す
県県土整備部は8日、上信自動車道など4カ所で試行するCIMの活用業務などを盛り込んだ2022年度予算の執行方針を明らかにした。同部における一般会計公共事業予算は約577億円で、前年度比1・01%増加。また、生産性向上に向けICT活用工事やWeb監督の本格導入や、働き方改革としてCCUSモデル工事の試行拡大などに取り組むほか、施工時期の平準化を継続して行う。
予算状況については、厳しい財政状況を踏まえて投資総額を意識しつつも、防災・減災対策について重点的な予算配分を継続して行う。主要政策として災害レジリエンスbPの実現へ220億円、多様な移動手段の確保に110億円を充てている。
B等級およびC等級規模の工事確保を目的とするため、金額ベースでB等級を12%以上、C等級が3%以上、計15%以上の工事発注を目指す。
インフラ分野のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進として、県土整備プランDXアクションに位置付けた取り組みである新たなCIM事業にも着手する。
対象業務は◇国道144号上信自動車道長野原嬬恋BP(仮称)古森跨道橋橋梁詳細設計◇国道144号上信自動車道長野原嬬恋BP(仮称)袋倉トンネル詳細設計◇一級河川碓氷川築造詳細設計◇利根川支川荒砥川砂防堰堤詳細設計−の4件とし、モデル事業を進める。
試行にあたっては、設計会社や建設会社などからも意見を聞きながら進めていくとしている。
ICT活用工事の本格導入として、対象となる全ての工事で発注者指定型および受注者希望型を適用し公告する。
建設現場のWeb監督(遠隔臨場)は原則、全ての工事に適用。通信に関する機器については、レンタル費用や購入損料分は計上が可能となる。なお、通信環境が確保できない現場は対象としない。
現在、工事成績評点の加点対象となっている週休2日制現場およびICT活用工事は、22年度についても引き続き加点の対象となる。
CCUSモデル工事の試行拡大では、設計額1億円以上の工事を発注者指定型、その他の工事を受注者希望型として公告する。
また、施工時期の平準化の取り組みとして四半期ごとの工事発注率を設定。第1四半期60%、第2四半期75%、第3四半期90%とする。
委託業務も履行期限の平準化に向けた取り組みを進めるとしており、年内期限を50%以上、1〜2月を25%以上、3月を25%以下と定めている。