建通新聞社(神奈川)
2022/06/06
【神奈川】神奈川労働局管内 建設業死亡災害が増加
厚生労働省神奈川労働局は、2021年に同局管内で発生した建設業の労働災害の発生状況をまとめた。死亡災害は20年、21年の14人から7人増加の21人。このうち、高所からの墜落・転落災害が6人で最多となり、依然として災害リスクが高いことが認められた。死亡災害は一桁台(6人)に収まった17年を境に増加傾向が続いていることから、同局でも危機感を強めており、本年度も建設現場の監督指導を行う他、建設業労働災害防止協会神奈川支部などと連携し、墜落・転落をはじめとする労働災害防止対策を広く周知する。
「令和4年版神奈川県下における建設業労働災害の現状と対策」をまとめ、公表した。
死亡災害のうち、工種別では建築工事業が11人と5割を占め、土木工事業が6人、木造家屋建築工事業とその他の建設業(設備工事業など)が各2人となった。事業場規模別では従業員数1〜9人の小規模が13人と最も多く、30人未満で見ると9割を占める19人だった。年齢階層別では50歳以上の労働者が21人中15人と7割を占めた。60歳以上で見ると3割に当たる7人。ただ、経験年数での差は見られなかった。
死傷者数(休業4日以上)は前年比で10人少ない814人。このうち、258人が高所からの墜落・転落災害によるもので、全体の32%を占めた。はさまれ・巻き込まれ災害83人、切れ・こすれ災害81人、転倒災害76人、飛来・落下災害71人と続いた。工種別では建築工事業が半数近い374人、土木工事業が190人、木造家屋建築工事業104人の順。事業場規模別では従業員数1〜9人が481人と最多、10〜29人が228人となった。年齢階層別では40歳台が186人と最も多く、20歳台が165人、30歳台が139人、50歳台が135人で、20歳台未満の27人を除くと、年齢階層別での差は見られなかった。 提供:建通新聞社