富山県測量設計業協会(市森友明会長)は3日、県内の県立高校3校で出前講座を開催した。今年で34年目を迎えた毎年6月3日の「測量の日」(主唱=国土交通省、推進団体=測量の日実行委員会)の関連行事。
担い手の確保・育成につなげることを目的として、県内の県立高校のうち、建設系学科を有する黒部市の桜井高校(土木科)、高岡市の高岡工芸高校(土木環境科)、富山市の中央農業高校(園芸デザイン科環境緑化コース)でそれぞれ実施したもの。
高岡工芸では2018年度から毎年開いており、桜井は21年度からの2回目、中央農業は今回が初めての開催となった。参加した生徒は、測量設計コンサルタント業の仕事に理解を深めるとともに、実際の測量機器に触れることで、最新技術を体感した。
この日の出前講座のうち、桜井高校では、土木科3年生の32人が参加。1時限目の教室内講義では、同協会の寺島雅峰副会長(寺島コンサルタント代表取締役)が、公共工事における測量設計コンサルタント業の業務内容や仕事の流れを解説し、協会で作成したPR動画も放映した。同校の卒業生で、入社17年目である酒井工業コンサルタントの前澤圭亮氏が仕事の内容、やりがいを伝えた。
2〜3時限目は屋外に移動し、最新測量機器の実地体験を実施。生徒は、▽3Dレーザスキャナ計測▽ドローン写真撮影による測量▽自動追尾トータルステーション▽電子レベル−をそれぞれ体験し、指導者へ積極的に質問していた。その後は教室に戻り、3Dレーザスキャナとドローン撮影で取得した測量データを処理、成果物の確認も行った。
出前講座について、桜井高校の稲垣利治土木科科長は「授業では測量の基本しか学べない。正確で作業が容易な最新測量機器に触れ、実感できる良い機会」と話している。