彦根市は5月31日、彦根市立図書館の今後の管理・運営のあり方、施設の長寿命化を図るための効率的・効果的な保全計画を具体的に示した「彦根市立図書館施設適正管理計画」を策定し公表した。現在の彦根市立図書館は3館体制の「北部館」と位置づけ活用を継続するため、65年の耐用年数を目標に適正かつ計画的に予防保全を図り長寿命化を行う。計画期間の22〜31年度の10年間のうち22〜24年度の3ヵ年は「大規模改修期間」とし計2億3878万円を投じ予防保全型工事等を計画。改修後の25〜31年度は7ヵ年で計4869万円の事後保全費用を想定し維持管理を図る方針だ。
現在の彦根市立図書館(尾末町8―1)は、4500平方bの敷地に79年に建設された、RC造一部S造2階建(一部3階)、延2743平方b規模の施設。駐車場台数は148台。設計当初の図書収容可能数は40万冊となっており本館・外部合わせた現在の蔵書冊数は計68万冊以上。
17年度の耐震診断点検などから18年度に耐震化工事を実施し、耐震性能は満たしているが、築後42年が経過し建物・電気設備・機械設備の修繕工事が増え、トイレ、給排水管等の水回り、空調、建具や床や壁の劣化、バリアフリー対応の未整備、図書収容能力の限界、閲覧スペース不足、狭隘のため未設置の機能があるが、活用されていない和室等がある―等の現状の課題が挙げられている。
施設の現況と課題を踏まえた方向性として、図書館は複数館体制とし、彦根市立図書館を「北部館」として引き続き活用することを基本として、開架や書架スペースの狭隘を改善するための適切な蔵書管理を行い未設置の機能を充実させると共に、長寿命化を図るため老朽化やバリアフリー化に対応するための改修工事を行い、現状の事後保全型から「予防保全」型へ施設の維持管理方法を転換させる。
施設の長寿命化は経過年数や点検結果、故障時の影響から優先順位を判断し対策を実施、RC造の標準供用年数である65年を目標使用年数とする。特に22年度から24年度まで3ヵ年を計2億3878万円を投じる「大規模改修期間」と定め、対策に要する修繕工事費を予算計上。大規模改修後の25〜31年度は過去の修繕実績を踏まえ7ヵ年で計4869万円の事後保全費用を想定している。
22〜24年度の「大規模改修期間」に実施予定の修繕工事と事業費見通しは次の通り―。
▼22年度=6054万円(▽便所改修工事実施設計▽昇降機更新実施設計▽空調・換気・給排水設備等更新工事実施設計▽受変電・電力・通信情報(防災)設備等更新工事▽昇降機更新工事▽屋内消火栓・消化栓ポンプ更新工事)
▼23年度=8442万円(障害者用駐車場等整備設計▽便所改修工事▽空調・換気・給排水機等更新)
▼24年度=9382万円(▽屋根葺替工事▽外壁タイル吹付工事▽障害者用駐車場整備工事)
提供:滋賀産業新聞