日本工業経済新聞社(群馬)
2022/06/01
【群馬】群建協 CCUS登録者数登録者数は6割超える 青柳会長「官民一体となった結果」
群馬県建設業協会(青柳剛会長)は、建設キャリアアップシステム(CCUS)に関する取り組み状況について明らかにした。4月末現在で会員総数270社に対し登録者数184社と、6割を超える会員企業が登録を完了させている結果となった。青柳会長は「官民位一体となった活動が登録者数の高さにつながった」とコメントした。全国建設業協会によると、群建協の登録者率は、全国でも上位、北関東3県ではトップの数字となる。
4月末現在における登録者数は会員総数270社のうち184社で、割合は68・1%となる。全建の集計では7割超えの大阪府や6割以上が登録している愛知県などに匹敵する上位の数字となっている。3月末時点における北関東3県の建設業協会を見ると、群馬県が会員総数270社中173社で63・8%なのに対し、栃木県建設業協会が会員総数339社中152件で44・8%、茨城県建設業協会が会員総数544社中159社で29・2%という状況で、群馬県が最も割合が高くなっている。
加入率促進に向け青柳会長は、21年6月に関東地方整備局長に対して群馬県内での直轄Cランク工事での活用推奨モデル工事の試行を全国で初めて要望した。これを受け、22年1月以降の公告案件から県内の土木Cランク工事で受注者希望型によるCCUS活用工事試行に全国初で取り付ける結果となった。
こうした動きに加え、工事成績評点や入札参加資格の主観点に対して加点対象となったことが登録の加速へとつながったと分析される。
青柳会長は「群馬県は格付けへの加点や入札参加事業者登録の点数付加など、CCUS普及に対して前向きな姿勢を見せている」とし、官民位一体となった活動が登録者数の高さにつながったと話す。また、今後は就労履歴の積み上げなどが課題になるのではと見通すと「CCUSもDXの一つとして進めて行くべきもの。23年度から経営審査事項の加点対象となるため、加入者数はさらに増加するのでは」と見解を示した。
協会の動きとしては、18年7月20日にCCUSの普及促進を図るため、システムの概要および登録方法に関する第1回目の説明会を会員に向けて実施している。また、協会主催の説明会だけではなく他団体が主催する説明会の開催情報も会員企業に提供し、積極的な参加を促したほか、群馬県建設産業団体連合会として専門工事業者への説明会を行っている。
こうした中、沼田支部では20年度に会員企業21社全ての事業者登録が完了している。さらに、沼田支部の会員で運営する利根沼田建設事業協同組合が支援し、利根沼田地域全体での就労状況の改善に向けた取り組みにつなげている。
このほか、21年度に人材確保育成・キャリアアップシステム推進特別部会を設置し、年度内に2回開催したほか、県と官民共同で各支部単位にて説明会を実施している。
協会では今後、さらなる加入促進のため、県と共同で未加入者に対して説明会を開催するとともに、現場見学会などを行っていきたいとしている。