京都府の西脇隆俊知事は5月31日、記者会見を開き、6月補正予算案の概要を発表した。4月に知事選を控えていたため骨格型となった当初予算に肉付けする補正予算案で、251億円台規模を予定。
建設関連の主なものをみると、社会福祉施設等整備助成費に16億6000万円規模を計上。特別養護老人ホーム、医療施設等の整備を助成する。
新規で舞鶴警察署建設計画費に100万円規模を計上。現在の2庁舎(本庁舎…旧舞鶴西警察署、分庁舎…旧舞鶴東警察署)の運用から、庁舎を統合し事案対応能力を強化する。施設の老朽化が著しく耐震性も不足している舞鶴警察署を早期に建替整備するための基本計画を策定する。
府立学校教育環境整備事業費に1億7000万円規模を計上。感染症や猛暑に対応できる環境整備のため、府立学校の空調等を整備する。
新規で産業創造リーディングゾーン(仮称)構築事業費に2億9000万円規模を計上。地域特性等を活かした新たな産業創造を行うリーディングゾーンを府内全域で構築する。府内10ゾーン以上を展開予定で、先行して6つのゾーンの取組を今回予算化する。
先行6ゾーンをみると、アート&テクノロジー・ヴィレッジ」の推進(大山崎町)について、令和5年度のオープンに向けたプロジェクト組成やプレイベントを開催する。
伝統産業の産地振興拠点の創出は、各産地における新事業創出や企業間連携を支援。海外ビジネス展開に向けたコーディネーター配置や新商品開発支援を行う。
脱炭素テクノロジーによる産業創出ゾーン「ZET−valley」の創出は、脱炭素関連スタートアップ企業の交流や技術導入検討を行う「ZET−summit」の開催等を行う。
コンテンツ産業の競争力強化を目指す太秦メディアパーク構想の実現は、コンテンツ産業関係者等が互いに学ぶ合う人材育成拠点(京都クロスメディア人材育成機構)の構築。
デジタル技術を駆使したスマートシティの実現は、けいはんな学研都市でのスマートサービスの実装等を支援する。
京都フードテック構想(仮称)の実現は、「食」×「テクノロジー」×「伝統・文化」の総合力で課題を解決する取組〈フードテック〉構想の具体化を図り、京もの食品のブランド力強化や新市場を創出する。
全体のマネジメントとして、全庁的な推進体制の構築とともに、外部有識者によるアドバイザーボードを設置。各ゾーンの構想策定・企画立案や企業誘致・ネットワーク構築等を推進する。
「京の木」循環利用総合対策事業費に8000万円規模を計上。林業・木材産業の振興による森林資源の循環利用を推進。木材需給情報の共有システム導入による安定した取引体制の構築、京都府内産木材の利用等の促進に関する条例に基づく利用促進を図る。
新規で脱炭素社会実現加速化事業費に1億5000万円規模を計上。再エネでは駐車場等の未利用地への太陽光発電設備等の導入を500万円を上限に支援。災害発生時に発電した電力を一般利用に供与する。また営農型太陽光発電設備導入の適地調査を行う。
省エネでは省エネ建築の設計知見等を有する京都府ZEBアドバイザーによる建物の脱炭素化に向けた相談、助言等を実施する。
次世代エネルギーでは小型水素ステーション等の設置・導入を1500万円を上限に支援する。
新規で「移住するなら京都」推進事業費に4000万円規模を計上。多様化する移住ニーズに対応するため、地域の特性に応じた施策を推進。地域や移住者等の特性に応じた拠点整備を行う市町村を支援する。振興局単位で先輩移住者ネットワークを構築し、受入体制の整備を行う。インターンシップや地域企業等との交流により、地域就業・定着を促進する。
新規でスポーツ施設夜間照明等整備費に1億6000万円規模を計上。山城総合運動公園で夜間照明新設とクラブハウス新設、亀岡総合運動公園で夜間照明新設、更衣室等改修、フィールド改修を行う。
新規で新生・府立大学構想推進費に4000万円規模を計上。学部・学科再編に対応したキャンパス整備に向けた施設整備基本計画を策定する。
道路整備等の公共事業には74億円規模を計上。地域づくりを支える交通基盤等の整備を推進。箇所例として、宇治田原山手線(宇治田原町)、国道423号法貴バイパス(亀岡市)、国道429号榎峠バイパス(福知山市)、国道178号(里波見〜長江)(宮津市)を挙げた。
新規で京都舞鶴港前島ふ頭旅客ターミナル建替調査費に3000万円規模を計上。
新規で府営住宅城南団地整備事業費に4000万円規模を計上。
このほか、新規で大阪・関西万博構想検討費に1000万円規模を計上。展示内容や京都府域での取組をオール京都で検討し、基本構想を策定する。
文化庁京都移転については、新行政棟・文化庁移転施設が12月に竣工予定で、中核施設の移転を行い、令和5年3月27日に業務を開始。5月15日までに職員の大半の移転を目指す。