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鹿児島建設新聞
2022/05/31

【鹿児島】MEC Industry 鹿児島湧水工場が本格稼働/国内初最大級 規模は2・6万u

 三菱地所などが出資したMEC Industry(小野英雄社長、霧島市)の鹿児島湧水工場が6月1日から本格稼働する。およそ9万uの敷地にS造平屋建て2万1612uの製造棟などの複数棟で構成(総延床面積2万6981u)。住宅などに使用する原木調達から製材、加工、組み立て、販売まで全て行う国内初最大クラスの工場が誕生する。住宅は、初年度年間100棟の供給を目指し、2年目からは300棟の販売目標を掲げる。豊富な森林資源を生かした新たなビジネスモデルが始まる。
 場所は、木場3102(栗野工業高校跡地)。同社は、原木調達から製材、加工、組み立て、販売まで、川上から川下までの統合型ビジネスモデルを構築。全てを一貫することで、中間コストを削減、現場作業人の手間を抑え、住宅(MOKUWELL HOUSE)を1棟(約100u)1200万円程度の低価格で提供する。エリアは、本県はじめ、宮崎県、熊本県の南九州一円。
 工場は、製材棟と製造棟などから構成。年間消費原木量は5万5000m3、直径38cmの場合9万5000本の原木量となる。製材棟では、建材としては利用が低い大径木(直径30cm以上の丸太)が製材可能な設備を導入。
 一方、製造棟は、CLTパネルや2×4材、MIデッキ(新建材)などを生産する。組み立て式のMOKUWELL HOUSEは3日に1棟のペースで製造。また、新建材のMIデッキは、RC造などの配筋付デッキの一部に木を使用し、天井仕上げ材が不要となり施工負担の軽減を図る。すでに特許出願済みで外販も行っている。
 このほか、運ばれてきた原木を選定する鹿児島湧水素材センターや各棟で発生したバークなどをリサイクルするためのボイラー棟などがある。工場は、2020年8月に大豊建設(東京都)で着工、およそ2年近く掛け整備を進めてきた。
 30日、現地で完成祝賀会があった=写真=。その中で、小野社長は「国産材を使用する機運が高まっている。まちと森林の架け橋になれば」と話した。
 同社は、20年1月設立(本社は霧島市国分野口東6−14)。資本金36億円。工場の従業員はおよそ100人、うち7割が地元採用。株主は、三菱地所(東京都)、南国殖産、山佐木材、竹中工務店(大阪市)、大豊建設(東京都)、松尾建設(佐賀市)、ケンテック(東京都)。


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