任期満了に伴う新潟県知事選が29日投開票され、現職の花角英世氏(64)が、無所属新人の片桐奈保美氏(72)に約50万票の大差をつけ、2期目の再選を果たした。
花角県政の4年を総括するとともに、新型コロナウイルス対策、東京電力柏崎刈羽原子力発電所の再稼働や、人口減少問題、県財政再建などが争点だった。
支援者が集まる会場には、本県選出の国会議員や県議会議員、首長らが続々と駆けつけ、午後8時の投票締切の直後、当選確実の知らせが伝わると、大きな拍手と歓声が沸き起こった。その後、花角氏が姿を見せ、支援者らとグータッチを交わし、満面の笑みをこぼした。壇上に上がった花角氏は万歳三唱し、顔を紅潮させながら「大きな信任をいただき、新しい県政を始める職責の重さを感じている。各地を回り、大勢の方々からご支援をいただき感謝申し上げる」と何度も頭を下げ、2期目の抱負では「コロナ禍でいたんだ社会、経済活動を回復させ、災害からの安全・安心を守りつつ、暮らしやすい新潟県を実現していく」と声を張り上げた。加えて「県民との対話を大切に、県政のパートナーである市町村長と連携を図り、課題を1つ1つ解決し、住んでよし、訪れてよしの新潟県を目指し、一歩ずつ着実に前進していきたいとの考えを強調した。争点の1つだった柏崎刈羽原発の再稼働に触れ、「県独自の検証を進め、判断材料を得た上で県民に説明する」と話した。
投票率は49・64%で、激戦だった前回よりも8・61ポイント下がり、過去3番目の低さだった。
はなずみ・ひでよ 1958年5月生まれ。佐渡市(旧金井町)出身。東京大学法学部卒。82年運輸省(現国土交通省)に入り、大阪航空局長、海上保安庁次長、県副知事などを経て2018年に初当選。