日本工業経済新聞社(群馬)
2022/05/26
【群馬】6月議会に予算上程 川場小校舎の増設 一貫校開校へ向け設計 川場村
川場村は小中一貫校の整備計画について、校舎増築と既存校舎の改修に向けた基本設計および詳細設計に関する予算を6月議会に上程。可決後、速やかに指名競争入札で業務を発注する見込み。一貫校は川場小学校(谷地2402)に川場中学校(谷地2494)を統合する形式で新たに誕生する。2025年の開校を予定しており、敷地内に新たな校舎を建設するとともに、既存小学校施設の長寿命化改修工事を計画している。
川場村は児童減少への対応策として、小規模で効率的な教育体制の確立を促進。川場小と川場中の2校を統合して、小中一貫型の義務教育へ切り替える。25年4月の一貫校開校を目指し22年度から併設型の一貫教育を開始している。
川場小は1986年に開校したRC造3階建て、建築面積1364uの校舎と、S造平屋、建築面積1219uの屋内運動場のほか給食室や食堂などが配置されている。当初は、校舎南側に位置する校庭の一部を利用して、W造平屋で建築面積1148uの新校舎を増築する予定だったものの、小中一貫校施設などの基本構想を作成していく中で校門からすぐの位置にある記念樹などが植えこまれている場所への建設が決定した。
一貫校を新設するにあたり、木々の間から木漏れ日が差す校舎をコンセプトに計画。さらに、1年生〜4年生、5年生〜7年生、8年生〜9年生がそれぞれ同じ空間で過ごすよう教室を配置する。
新校舎の規模は、W造2階建て、延べ床面積980u程度を想定。1階部分に職員室や校長室を配置するほか、職員用の更衣室やトイレを設置する。2階部分は5年生〜7年生までの教室と多目的スペースを設ける。既存校舎との接続部分は1階部をピロティ、2階部をS造耐火構造、面積45uの渡り廊下とする。
既存校舎の改修は、1階に位置している職員室を保健室へと改修する。また、2階多目的スペースを、図書室とグループ学習スペースとしても利用できる図書館ラウンジへ変更。3階にも配置されている多目的スペースは、8年生〜9年生の学習スペースとしてパソコンやタブレット端末を設置し、生徒の学びに合わせた調べ学習や個人学習ができる場所となる。また、特別教室の家具の入れ替えも予定している。
さらに、3階の西側に位置するトイレを高学年用の便器に改修するほか、高機能トイレを1階と3階に新設する。合わせて、全室の照明をLED化するとともに、給水配管の更新なども行うとしている。
22年度は、新設する校舎と既存校舎の改修に対する基本設計と実施設計を行う。設計では地盤調査や敷地の測量なども行う。設計に関する予算を6月議会に上程する見通しで、議決後速やかに指名競争入札で発注するとしている。23年度には既存校舎の改修および増築校舎の新築などを一括で工事発注する予定としているため、設計は年度内に完了したい考え。
また、同年度中に太陽光発電設備と蓄電池に関わる工事も発注する予定で、23年末には工事を完了させ、24年の1月から3月で引っ越しを済ませたいとしている。
なお、小学校南側にある役場庁舎の移転に伴う、現庁舎を解体しての校庭の増設は中止となった。ただし、時期を未定としながら庁舎の解体工事の計画は変更していない。
また、25年に開校した後、空き施設となる川場中の利活用方法については未定としている。校舎が耐震基準を満たしているなどの観点から、大きな改修は不要との見解が示されており、産学官が活用できる施設を開設したいなどの声が上がっている。