建通新聞社(静岡)
2022/05/25
【静岡】静岡県 6月から総合評価の運用見直し
静岡県は、6月1日以降に入札公告する土木工事を対象として、総合評価落札方式の運用を見直す。現在は、技術提案を伴う「簡易型T」や「標準型」を採用している予定価格5000万円〜5億円の工事で、技術提案を求めない「簡易型U」と、配置予定技術者を評価対象としない「簡易型V」を選定できるようにする。2020年度から暫定的に縮小していた総合評価の適用範囲(予定価格5000万円以上)も6月から本格運用し、効率的な入札事務の執行を目指す。
土木関係総合評価落札方式活用ガイドラインを改定し、6月1日の入札公告から適用する。
改定前のガイドラインでは、総合評価を原則として適用する工事を3000万円以上(20年7月から5000万円以上で暫定運用)とし、価格帯と工事難易度に応じ、簡易型T、簡易型U、標準型(高度技術提案型)を採用するとしていた。
適用区分を重視し、技術的な工夫の余地がない工事にも技術提案を求める傾向があるとして、6月1日から技術提案を伴う標準型と簡易型Tの適用範囲を縮小する。
まず、高度な技術提案を伴う標準型を5億円以上に限定する一方、5000万円から5億円の価格帯で、技術提案のない簡易型Uの対象を拡大する。同じ価格帯の難易度の低い工事に適用できる新たな総合評価として、配置予定技術者の能力を評価対象とせず、経験の少ない若手技術者を登用しやすい簡易型Vを追加する。
簡易型Tは、5000万円から5億円の価格帯で、発注者が必要とした場合に限って運用を可能とする。
県発注の土木工事では、20年7月から総合評価の実施額を暫定的に3000万円以上から5000万円以上に縮小しており、6月からはこの暫定措置を本格運用へと移行する。合わせて、総合評価審査委員会の運営も効率化し、審査側の負担も軽減する。
暫定措置が始まった20年度に開札した土木工事の入札2246件のうち、総合評価を適用した工事は486件(21・6%)。これに対し、21年度に発注した土木工事2148件のうち、総合評価を適用した工事は202件となり、実施率は9・4%に低下している(いずれも建通新聞社調べ)。