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建通新聞社(神奈川)
2022/05/25

【神奈川】川崎市 立地適正化計画の策定に本格着手

 川崎市は、「都市機能等の立地適正化に関する取組方針」を踏まえ、「立地適正化計画」の策定に向けた本格的な検討に着手する。現在の市街化区域の大部分を「居住誘導区域」に盛り込む他、総合計画で「広域拠点」に位置付けられている川崎駅周辺地区、小杉駅周辺地区、新百合ケ丘駅周辺地区、「地域生活拠点」の新川崎・鹿島田駅周辺地区、溝口駅周辺地区、鷺沼・宮前平駅周辺地区、登戸・向ケ丘遊園駅周辺地区、「臨空・臨海都市拠点」の殿町・大師河原地域、浜川崎駅周辺地域を「都市機能誘導区域」に設定する。2024年度までに策定する。
 策定業務を昭和神奈川支社(横浜市西区)に委託した。委託期間は25年7月14日まで。
 計画に盛り込む主な項目のうち、将来都市構造については、市の総合計画や都市計画マスタープランと整合させ、社会経済状況の動向なども踏まえて検討する。
 居住誘導区域は市街化区域の大部分を区域に含むことを想定し、災害リスクを詳細に分析しながら具体的な区域を検討する。
 都市機能誘導区域については、現状の都市構造を基本に、効率的で持続可能な都市経営を考慮しながら検討、誘導施設は各区域の特性などに応じて検討する。
 各誘導区域への誘導施策は区域外から区域内への移転を早急に促すことはせず、都市計画や国の施策の活用を中心とした長期的な視点で誘導し、将来的な暮らしやすさの向上を目指す視点で検討。合わせて、身近な地域に必要な機能とその誘導の在り方、誘導区域外の在り方などを整理する。
 防災指針は、既存施策を含む各種防災・避難対策などを整理して指針に位置付ける対策を検討。浸水害については拠点駅周辺も含めて広範囲に被害が及ぶ恐れがあるため、詳細なリスク分析を進めながら防災・減災対策を検討する。

〜災害激甚化・将来人口構成変化に対応〜

 東京都、横浜市という大都市に隣接する川崎市では、今後20年程度先も大半の地域が人口集中地区(DID)の基準(1f当たり40人)を上回ることもあり、立地適正化計画の検討を進めてこなかったが、近年の浸水害や土砂災害などの自然災害の激甚化・頻発化、高齢化の進展による将来的な人口構成の変化などを受けて、本格的な検討に着手する。
 立地適正化計画は計画骨子案、計画素案、計画案を市民などに周知しながら段階的にまとめる。また、課題の分析、解決すべき課題の抽出については、21年度の「都市機能等調査業務委託」で作成した基礎データなどを基に必要に応じて補足し、災害リスクの高い区域等を対象として、区ごとに3カ所程度の現地踏査を行う。
 また、市の都市計画マスタープランの都市づくりの基本方針と整合を取り、特に「魅力ある都市づくり」「誰もが暮らしやすい都市・住まいづくり」「災害に強い都市づくり」「人口減少を見据えた持続可能で効率的な都市づくり」を重視して検討する。この他、今後の人口減少・超高齢社会の到来を見据え、「将来の人口動向を見据えた持続可能な都市づくり」「自然災害の被害軽減」を主な課題として、特に市民の生命に直結する「自然災害の被害軽減」を重点を置く。
 神奈川県内の33市町村で4月1日現在、立地適正化計画を策定しているのは▽相模原市▽横須賀市▽鎌倉市▽藤沢市▽小田原市▽秦野市▽厚木市▽大和市▽伊勢原市▽海老名市▽南足柄市▽松田町―の11市1町。 提供:建通新聞社