建通新聞社(神奈川)
2022/05/18
【神奈川】ツインシティ橋 一般交通部4車線で整備へ
寒川町倉見地区への東海道新幹線新駅の誘致に関連して開発が進むツインシティ整備計画で、倉見地区と平塚市大神地区を結ぶ(仮称)ツインシティ橋を含む都市計画道路倉見大神線が全て一般交通部の4車線で整備することが決まり、2023年度に都市計画変更を行い、事業に着手することが明らかになった。5月16日に開かれた神奈川県東海道新幹線新駅設置促進期成同盟会(会長・黒岩祐治神奈川県知事)の22年度総会で、神奈川県が期成同盟会に参加する県央・湘南地域の10市町などに報告した。
倉見大神線は、ツインシティを形成する寒川町倉見地区と平塚市大神地区を結ぶ総延長約1700bで計画。このうち大神地区で進む土地区画整理事業の基盤整備に合わせて工事が進められていた交通広場(トランジットセンター)〜国道129号間の延長約500bが本年度に完成する予定。倉見地区の県道46号からトランジットセンターまでの延長約1200bが今後の整備対象で、このうち相模川を渡る延長約800bが橋梁区間となる。
橋梁区間は、県が本年度に橋梁予備設計に着手し、橋梁タイプなどを検討する予定だ。
同線は、県道46号から国道129号までの一般交通部2車線、倉見地区の新駅交通広場からトランジットセンターまでの公共交通専用部2車線の計4車線を想定し都市計画決定しているが、今回、一般交通部4車線で整備することなどが決まり、23年度に都市計画変更を行うこととした。
〜総会で新駅誘致活動のさらなる展開を決議〜
総会はウェブ会議で開かれ、寒川町倉見地区への新駅誘致について「ツインシティ平塚大神地区」で土地区画整理事業、「ツインシティ寒川町倉見地区」で新駅整備周辺区域を市街化区域に変更する都市計画手続きを進めながら、県央・湘南都市圏全体の魅力ある都市づくりや交通網の整備に向け、新駅誘致活動を一層強力に展開するなどとした総会決議を行った。
期成同盟会副会長の小板橋聡士神奈川県副知事は「新駅設置の受け皿となるツインシティのまちづくりをしっかり進めてしていく」と強調し、「大神地区では立地企業の開業が進み、イオンモールも建設に着手、まちづくりが着実に進展している。倉見地区でも19年に始まったJR東海との技術相談の成果を基に、道路計画の地元調整が進むなど、新たな段階に入ったと感じている」と話した。両地区を結ぶツインシティ橋などの事業着手、周辺道路ネットワークの整備にも取り組みながら「JR東海からさらに前向きな話を引き出したい」と期待を込めた。
期成同盟会の22年度事業計画については、新駅設置に向け、JR東海や県内選出の国会議員、国などに対する要望・陳情活動、広報誌の発行や「絵画コンクール」など子ども向けの広報活動、地元経済団体・企業などとの連携強化、新駅設置効果の調査・研究などを引き続き行うことを決めた。
〜大神地区は本年度に幹線道路ネットワークが完成〜
ツインシティ橋の整備の他、ツインシティ両地区の現状についても報告があった。平塚市の大神地区については、県施工の倉見大神線をはじめ、本年度末に地区内の幹線道路ネットワークが完成。物流施設などの立地も順次進んでおり、工事中のイオンモールは23年春の開業を目指している。
寒川町の倉見地区は、新駅を核としたまちづくり拠点の整備を目指し、21年度に県と寒川町でツインシティ倉見地区まちづくり検討会を新たに設置。土地利用ゾーニング案や地区の将来像などまちづくりの進め方などについて具体化を進めている。今後もJR東海による早期の設置判断につながるよう、調整を進めていく。 提供:建通新聞社