建通新聞社(神奈川)
2022/05/11
【神奈川】川崎市 盛土造成地の観察を共同研究で開始
川崎市は、GNSS(全球測位衛星システム)測量による大規模盛土形成地の経過観察を開始するに当たり、日豊(川崎市宮前区)、清水建設(東京都中央区)など共同研究者7者との共同研究契約を締結した。市内全域に設置したGNSS連続観測点を基準に、GNSS測位と干渉SAR(合成開口レコーダー)によるデータを用いて地盤変動を観測することで大規模盛土造成地を監視、経過観察への有効性などを研究する。実施期間は2022年度から2年間を予定している。
共同研究者は日豊、清水建設、神奈川県温泉地学研究所(小田原市)、マップル(東京都千代田区)、ASロカス(千葉市中央区)、武揚堂(東京都目黒区)、三矢研究所(川崎市麻生区)。
今回の研究では、各区の公共施設の屋上などに新設した連続観測点を基準に、大規模盛土造成地に複数の観測点を設置。年4回程度のGNSS定期観測を実施して詳細な地盤変動を監視し、干渉SARやドローンレーザーなどの活用によりデータを補足する。
変動量を表示したデータベースの構築やマップの作製も実施する予定で、4Dマップなど四次元ダイナミック(動的)座標管理の導入に向けた技術を研究・開発する。
また、大規模盛土造成地の安全性判定のデータベースの構築、ドローンに搭載したレーザースキャナーや地上レーザースキャナーによる構造物の劣化やひび割れなどの監視も併せて実施。経年変化の速度を加味したデータ管理システムの構築を目指す。
川崎市は06年から大規模盛土造成地の各種調査を進めている。これまでに調査を行った大規模盛土造成地については現地踏査による経過観察を継続し、滑動崩落の兆候の早期把握に努める。 提供:建通新聞社