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建設経済新聞社
2022/05/11

【京都】PFIによる京都府府営住宅向日台団地整備事業(第1事業区) 要求水準書案を公表

 京都府は9日、PFIによる京都府府営住宅向日台団地整備事業(第1事業区)について、要求水準書案を公表した。これは、同事業について、民間事業者に対し府が要求する性能の水準を示すもの。
 向日台団地の建替えでは、団地の規模が大きいことから、南側の第1事業区と北側の第2事業区に分け、段階的に整備を進める。第1事業区の建替えは、現入居者のための住戸231戸を集中的に整備する。WTО政府調達協定の対象。
 事業概要はア・向日台団地1〜5棟、9及び10棟(計7棟205戸)を解体撤去、イ・事業用地の中で建替住宅を整備(整備は2期に分けて実施)、ウ・事業用地内に土砂災害対策特別警戒区域(レッドゾーン)が存することについて、対策工事等必要な措置(レッドゾーン対応措置)を講じる、エ・向日台団地の入居者の移転に関する業務を行う。府営住宅整備業務はア・イ・ウまでの業務。なお事業用地のうち、建替住宅を整備する用地以外の敷地は、第2事業区に係る事業の用地としての活用を想定している。
 業務の範囲は、(1)事業計画等の策定に関する業務(ア・事業計画の策定、イ・建替計画の策定、ウ・移転計画の策定、(2)府営住宅整備業務(▽事前調査に関する業務((ア)測量調査(イ)地質調査(ウ)アスベスト含有材使用状況調査))▽既存住宅等の解体撤去に関する業務((ア)既存住宅等の解体撤去に関する設計(イ)既存住宅等の解体撤去工事(ウ)既存住宅等の解体撤去に関する工事監理(エ)解体撤去跡地に係る敷地整備))▽建替住宅等の整備に関する業務((ア)団地全体の基本構想(イ)建替住宅等の基本設計・実施設計(ウ)建替住宅等の建設工事(エ)建替住宅等の建設に関する工事監理(オ)住宅性能評価の取得(カ)内覧会の実施(キ)住宅瑕疵担保責任保険への加入又は保証金の供託(ク)化学物質の室内濃度測定))▽エレッド対応措置等に関する業務((ア)レッド対応措置(イ)関連施設の整備)▽その他府営住宅整備業務の実施に必要な業務((ア)事業の実施に必要な許認可及び各種申請等の行政手続(イ)周辺影響調査(電波障害調査、家屋調査等)(ウ)近隣対策・対応(地元説明会、電波障害対策、周辺家屋補償等)(エ)完成確認、引渡し及び所有権の移転(オ)確定測量及び公有財産台帳登録関係書類等の作成(カ)維持管理に係る計画の作成(キ)契約不適合責任(瑕疵担保責任)(ク)国交付金等申請手続の支援(ケ)会計実地検査の支援))。
 事業用地を3の工区(1期工区〜3期工区)に分けて、府営住宅整備業務を行うこととする。その工区分け、工区ごとの建替住宅の整備戸数等は、府が示す条件(「既存住宅等の解体撤去は1期工区〜3期工区の3期に、建替住宅等の整備は1期工区及び2期工区の2期にそれぞれ分けて行う」等)を遵守の上、提案によるものとする。なお詳細な工区設定は、提案内容を元に、移転計画と併せて府と協議した上で決定するものとする。
 事業実施手順によると、1期工区は@1期工区の既存住宅入居者の仮移転、レッドゾーン対応措置の実施A1期工区の既存住宅等の解体撤去(1期解体撤去)B1期工区の建替住宅等の整備(1期建替住宅)C1期工区の仮移転対象者の1期建替住宅への本移転、2期工区は@2期工区の既存住宅入居者の1期建替住宅への本移転A(必要に応じて2期工区の既存住宅入居者の仮移転)B2期工区の既存住宅等の解体撤去(2期解体撤去)C2期工区の建替住宅等の整備(2期建替住宅)D(必要に応じて2期工区の仮移転対象者の2期建替住宅への本移転)、3期工区は@3期工区の既存住宅入居者の2期建替住宅への本移転A3期工区の既存住宅等の解体撤去(3期解体撤去)、解体撤去跡地に係る敷地整備。
 このほか、高齢世帯、若年世帯、子育て世帯等の多様な世帯の入居者が、ともに支えあい交流できるよう計画すること、建替住宅においてはZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)水準を満たし、再生可能エネルギーとして太陽光発電整備を設置すること、可能な限り木材の使用に配慮すること、市道第5001号線の北側端部から約150m付近の屈曲点から西山方面の真西から北西方向への眺望に示す範囲の眺望を確保すること、6〜8号棟を除く府道中山向日線以東の区域において建築基準法第86条に基づく認定(一団地認定)の区域が設定されているため、計画に基づき必要となる手続きを行うことなどを求めた。
 事業方式は、事業用地内に存在する既存住宅を解体撤去し、新たに建替住宅を整備した後、府に所有権を移転するBT(BuildTransfer)方式ののPFIを採用。
 事業用地は向日市向日町北山74他の約1・9f。用途地域は第一種住居地域(建ぺい率60%、容積率200%)。高度地区は第1種高度地区(なお向日市が向日台地区地区計画を策定し、高さの最高限度を15mから20mに緩和)。
 建替住宅の住戸タイプは、2K・約40uが約30%、2DK・約50uが約50%、3DK・約65uが約20%。
 解体撤去対象の既存住宅は、昭和41年建設の1号棟(RC造5階建、延2323u)、2号棟(RC造5階建、延1973u)、3号棟(RC造5階建、延1623u)、4号棟(RC造5階建、延2526u)、5号棟(RC造5階建、延2234u)、昭和42年建設の9号棟(RC造5階建、延1623u)、10号棟(RC造5階建、延1098u)。
 事業期間の終了は、令和11年3月の予定。