建通新聞社(静岡)
2022/05/09
【静岡】県立高校の建替工事 在校生向けに現場見学会
若年層に建設の仕事への関心を高めてもらおうと、建て替え工事が進んでいる県立高校の在校生向けに、初めての現場見学会が開かれる。沼津工業高校では、静岡県と静岡県土木施工管理技士会が協力し、建築・土木系の生徒に自らが通う校舎の建て替え工事の現場を公開。磐田南高校でも、普通科などの生徒に建て替え工事の現場を見学してもらう。県は「建設の仕事を進路の選択肢の一つとするきっかけになれば」(交通基盤部建築企画課)と話している。
県はこれまでも、建設産業の魅力を発信する「静岡どぼくらぶ」を発足させ、工業高校生らを招いた現場見学会を開いているが、在校生向けに校舎建て替えの現場見学会を開くのは今回が初めてだという。「自身が通う高校の工事であれば、建築の仕事に興味を持ちやすいはず」(建築企画課)というのが狙いだ。
2023年2月の完成を目指して建て替え工事を進めている沼津工業高校では、県土木施工管理技士会と合同で、建築科と都市環境工学科の授業の一環として現場見学会を5月13日に開く。見学会では、施工者の山本建設(三島市)の技術者らが現場で活用しているICT技術などを説明する予定だ。
石川建設(磐田市)の施工で建て替え工事を進めている磐田南高校でも、5月13日の放課後に現場見学会を開く。同社の若手技術者が建設会社の職場や現場の仕事について説明する。磐田南高校は普通高校だが、県内トップクラスの進学校である同校の生徒に大学進学時や就職後の進路の一つとして建設業を意識してもらう。
県立高校では、これまで進めてきた耐震補強工事が一巡し、老朽化した校舎の建て替え工事が増加する。県は、生徒の移動がなく、関心を持ちやすい母校で行われている建て替え工事を格好のアピールの場と考えており、今後も県の建築職員、設計者、施工者が連携し、現場見学会の機会を設けたいとしている。