館山市は、汚水適正処理構想の見直しに伴い、湊465―1にある公共下水道終末処理場・鏡ケ浦クリーンセンターの整備方針について検討する。上位計画にあたる「東京湾流域別下水道整備総合計画」において高度処理施設の位置付けがあることなどを踏まえ、長期的な維持管理や放流負荷を考慮して処理方式を選定。また、公共下水道予定処理区域の縮小を想定しており、浄化槽汚泥量などの増加が見込まれることから、出野尾534に所在するし尿処理場・衛生センターについて実態調査を行い施設規模を検証する。
2015年度策定の構想では、24年度までを中期、34年度までを長期とし、また汚水処理整備アクションプランでは、15〜24年度までの10年間において公共下水道を約50ha整備することとしている。
一方で、19年度時点での下水処理は、下水道全体計画の予定処理区域1197ha・計画人口3万600人に対し、208ha(17・4%)・3515人(11・5%)となっており、整備完了までに多大な時間と費用を要することが見込まれる。
そこで「汚水適正処理構想見直しおよび長期財政計画検討に係る業務委託」を日本水工設計に23年3月24日までの納期で委託している。汚水適正処理構想については、年度末までに見直しを完了する。
業務内容は▽汚水処理施設整備構想検討=基本作業の確認、基礎調査、汚泥処理の基本方針・計画▽処理方式の検討=基本事項の検討、根幹的施設の配置検討、終末処理場計画▽アクションプランの見直し=基本方針の確認、アクションプランの見直し▽長期財政計画検討=基礎調査、事業の現状把握、長期財政計画の作成――など。
公共下水道未整備地区について当面および将来の生活排水処理の課題を整理し、生活排水処理の将来計画を策定するとともに、早期の汚水処理概成を目的とした最適な処理施設の整備方針を検討。公共下水道および浄化槽などの処理区域について整理し、最適整備計画を策定する。
加えて、将来の公共下水道計画区域を設定し、投資金額の見込みを整理した上で、財政シミュレーションにより収支見込みを検討し、年次別のアクションプランの見直しを行う。