金沢市は、西町教育研修館(西町)を活用して整備する「金沢美大柳宗理デザインミュージアム(仮称)」の基本計画について、今後内容を整理した上で、6月をめどに委託したい考えだ。
同施設は、戦後の日本を代表する工業デザイナー・柳宗理氏が残した貴重なデザイン資料の展示・収蔵や、市名誉市民第1号の建築家・谷口吉郎氏が設計した同建物(旧・石川県繊維会館)を建築遺産として保存・公開していこうというもの。
市が昨年度にまとめた基本構想によると、ビジョンは「デザインと建築意匠を通した美と創造の交流拠点」とし、求められる機能は柳氏の作品やデザインに関する「教育」「研究・収蔵」「普及・発信」「交流」の4つとしている。
建物は1952(昭和27)年に建設され、その後、同館に転用された。谷口氏が設計、柳氏とともに金沢美大の教授や学長を務めた五井孝夫氏が監理を担当した。現在、館内には金沢美大の貢献者である宮本三郎氏の壁画も飾られている。市は1月に同館を国登録有形文化財に申請した。
施設整備では、現耐震基準を満たしていない建物の耐震化、エレベーターや多目的トイレの設置などバリアフリー化を行う方針。建物は多くの制約が想定されるため、建築の専門家に意見を聴くことも検討している。
今年度当初予算には基本計画策定費として500万円を計上している。