室戸市は新庁舎の移転候補地3案をまとめた。勤労者体育センターを含むA案、JA高知県室戸支部付近のB案、消防本部付近のC案の3候補地への移転を検討する。今後は庁舎整備検討委員会での議論内容や住民説明会での市民意見なども参考にしながら、2022年度内の建設地決定を目指す。
A案は、勤労者体育センター(室津2186ノ1)を含む区域面積約1・7f。3案の中で現庁舎から最も近く、現状と変わらない利便性が見込める。しかし、一部が津波浸水想定区域内であるため、嵩上げが必要になり、他2案と比べて造成費用がかかることや、体育館の建て替えなどもあり、着工までに時間を要する。概算事業費は46・6億円。
B案は、JA高知県室戸支部(室津1743ノ1)付近の区域面積約4・5f。土地を広く活用し、公共施設や商業施設など都市機能を集約することで、計画的なまちづくりが可能になる。一方で、室津川からの越水対策や埋蔵文化財の試掘、農用地区域の転用手続きなどが必要になってくる。概算事業費は46・3億円。
C案は、消防本部(室津12)付近の区域面積約4・5f。B案と同様に広い土地で計画的なまちづくりを進めることができる。課題は、消防本部側から進入する場合に道路や橋梁の新設が必要になり、現状のヘリポートの使用に支障を来たす可能性がある。概算事業費は46・3億円。
今後候補地を決定した後、早ければ22年度に用地測量や造成設計、基本設計を行う。24年度から実施設計、敷地造成工を進め、25年度の建築工事着手を目指す。
現庁舎の規模は鉄筋コンクリート造地下1階地上4階建て延べ5309平方b。1981年建築。20年に実施した耐震診断では、震度6〜7で倒壊の恐れがあると判定された他、津波浸水想定域に位置している。場所は浮津25ノ1。
提供:建通新聞社