岸田文雄首相は23日、第4回アジア・太平洋水サミットの首脳級会合で、「気候変動適応策・緩和策両面での取り組み」と「基礎的生活環境の改善などに向けた取り組み」をする「熊本水イニシアティブ」を宣言し、今後5年間で約5000億円の支援を表明した。
新しい資本主義に基づき、日本の先進技術を活用した質の高いインフラ整備を通じ、アジア太平洋地域、地球規模の水を巡る社会課題の解決と持続的な経済成長に向け、積極的に貢献する狙い。
気候変動適応策・緩和策は、▽質の高いインフラの整備推進▽観測データの補完への貢献▽ガバナンス(制度・人材・能力)への貢献▽二国間クレジット制度の活用・拡大―が柱。ダムや下水道、農業用施設等による流域治水を通じた水害被害軽減(適応策)と温室効果ガスの削減(緩和策)を両立できるハイブリッド技術の開発・供与や、官民協働による質の高いインフラ導入の提案などに取り組む。
基礎的生活環境の改善では、日本の技術と資金協力によって水道施設等整備を支援するとともに、民間企業の参入を促進し、IoT技術を活用した料金徴収のシステム化などを通じ、水道事業体の能力強化を推進する。また、アジア汚水管理パートナーシップを6カ国から拡大し、東南アジア各国の知見や経験を共有する。
首脳級会合で基調講演した岸田首相は「今後5年間で約5000億円を支援する。熊本イニシアティブは、(水サミットの)熊本宣言に盛り込み、日本はこの内容をコミットする。アジア太平洋地域がSDGsの目標を達成し、持続可能で水に関するリスクに対して、強靱で人々が生活の質の高さを実感できる質の高い社会≠実現できるよう、先頭を切って真摯に取り組む」と述べた。
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