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建設経済新聞社
2022/04/21

【京都】伊根漁港大浦第1岸壁海面埋立工事 工期は約4年、令和8年度供用目指す 事業費約4・8億円を投入

 伊根町は、同町平田の伊根漁港大浦第1岸壁について、係船岸及び漁港施設用地(荷捌所用地)を整備するため、海面の埋立を行う。工期は約4年を想定、令和8年度の供用開始をメドに計画を進める。
 現在の漁港は完成して50年余りが経過し、地盤沈下などによる施設の老朽化が進む。また陸揚げ漁港として荷揚場などの施設も老朽化している状況。
 漁獲物の選別、水洗い、計量等が円滑に行えないため、荷捌所の拡充が求められていることから、これら課題の解決を図るため、水産物供給基盤機能保全事業により、安全で機能的な漁港環境の形成を図る。
 岸壁背後の土地が狭隘で陸揚げ作業に支障があるため、新たに岸壁を沖出し整備する。マイナス4m岸壁は重力式(L型ブロック式)構造とする。地盤改良については、軟弱な粘性土が基礎地盤からマイナス12mまであるため、床掘置換え工法を採用する。
 具体的には、係船岸(陸揚げ)(マイナス4m以下)延長が不足しているため、新たにマイナス4m岸壁を124・8m整備する。更に背後に荷捌所用地を整備し、漁獲物の選別、水洗い、計量等が円滑に行え、出漁準備中や休憩中に漁具を仮置きするスペースを確保し、漁業従事者の労力削減、作業効率の改善、環境改善を図る。
 埋立の規模は、岸壁敷が371・24u、荷捌所用地が1080・10uの計1451・34u。既存部分の2706・55uとあわせると、埋立後は4157・89uとなる。岸壁のエプロン幅は陸揚げ用の3mを確保する。
 埋立土砂の投入は、水質環境の保全を図る観点から、外周のマイナス4m岸壁が概成し、埋立区域を外海と遮断した後、山土(採取土)をダンプトラックで埋立区域に投入する工法を採用する。
 埋立にあたり、まず埋立区域の前面に汚濁防止膜を展張する。次に地盤改良工事により発生する床掘土砂はダンプトラックで処分場まで運搬し適切に処分。続いて基礎捨石をガット船により投入し、潜水士船により均した後、本体工となるL型ブロックを起重機船で順次据え付け、L型ブロック背面に防砂板を施工する。その後、裏込石の投入・均しを行い、防砂シート布設を行う。裏込石投入の進捗に合わせて上部工の場所打コンクリートを打設し、概成させていく。汚濁防止膜は、工作物で埋立地を外海と遮断した時点で撤去する。
 埋立は、工作物により完全に外海と締め切った後、山土(採取土)を10tダンプトラックで運搬・搬入し、埋立地をブルドーザーで計画地盤高まで造成。最後に岸壁のエプロン工、付属工(係船環、防舷材)及び排水路を施工して埋立を完成させる。排水路は6本(延長約57・9m)配置し海域へ排水する。
 工事は概ね4年間を想定。京都府の許可を得て、令和4年度から工事に取りかかる。
 埋立工事に必要な費用は4億8300万円を見込む。令和4年度当初予算には水産物供給基盤機能保全事業として工事請負費1億0100万円を確保した。
 設計はエイト日本技術開発が担当。