愛媛県は2022年度、県発注工事に関係する新たな建設事業総合管理システムの構築に着手する。電子入札システムなど現行7システムの問題や課題の解決と、新たに入札参加資格審査申請システムや入札参加資格設定システム、電子契約システムの計3システムの新規構築を検討する。現在、新システム構築のための要件整理・基本設計業務を委託する手続きに入っており、順調なら22年度に基本設計を取りまとめるなど22〜24年度で構築を進め、24年度後半にも試験運用を開始、25年度からの運用を目指す。
公共工事に係る関係業務の全体最適化と建設企業の利便性向上が目的。現行の7システムはその時々の時代の要請などに応じて関係部局が個別に構築したもので、システムごとに業務上必要とする部局が使用している。
対象は@建設事業総合管理A電子入札B入札情報公開C土木設計積算D農業土木設計積算E電子納品利活用F工事成績評定点算定・委託業務等成績評定―の7システム。それぞれ構築から相当年数が経過しており、▽システム間連携▽データ抽出機能▽制度改正などに伴うシステム改修―といった問題や、コロナ禍での対面型から非対面型手続きへの転換に加え、デジタルトランスフォーメーション(DX)や市町とのシステム共同利用の促進といった環境への対応なども課題となっていることから、新システム構築に踏み切る。
また、新たに検討する三つの新規システムの各機能について、入札参加資格審査申請システムでは手続きの電子化・オンライン化(建設工事、測量・設計コンサルタント等、物品製造・役務の提供等が対象)を検討する。入札参加資格設定システムでは業者選定機関が入札参加資格、指名業者、総合評価項目などの設定内容を効率的に審査し、入札執行機関へデータ連携することを支援する仕組みを検討する。電子契約システムでは紙の契約書に代えて、電子ファイルに電子署名やタイムスタンプを押して書面契約と同様の契約を締結できる仕組みを検討する。
提供:建通新聞社