大阪府は、無電柱化推進計画の改定案をまとめた。2021年5月に国が新たな無電柱化推進計画を策定したことに伴い、府の無電柱化推進計画を改定する。計画期間を30年度までとし、無電柱化を加速するための推進方策などをまとめた。改定案に対する府民からの意見を4月20日まで受け付けている。
府無電柱化推進計画の改定のポイントは@現計画の検証や国の動きなどを踏まえ、都市防災の向上の観点で無電柱化を加速するための推進方策の強化A優先的に取り組む箇所の考え方に基づき、整備路線を選定B計画期間は30年度まで―の3点。
推進方策では、「広域緊急交通路の無電柱化の加速」を新たに追加。「防災・減災、国土強強靭化のための5か年加速化対策」の予算など、国の補助制度を積極的に活用する他、広域緊急交通路の道路管理者(国、府、大阪市、堺市)で「無電柱化連絡調整会議」を設置し、整備の進め方やスケジュールなど一体的に調整を図り連携を強化する。
低コスト手法の導入では、既存ストック活用方式による整備を拡大する他、電力など需要の高い区間でも可能な「管路の埋設位置を浅くした整備手法(浅層埋設方式)」を新たに採用する。
道路の占用制限など(電柱の新設を禁止する占用制限)では、バリアフリー法に基づく特定道路(延長約50`)を追加、残る全ての道路でも指定する。
関係者相互の連携・協力と市町村への技術支援では、府と電線管理者で「無電柱化促進会議」を設置し、工程管理などを一元化する他、市町村には技術研修に加え、「ワンストップ相談窓口」を設置し、技術的助言などの支援を強化する。
整備路線の取り組みと対象路線は、▽広域緊急交通路(重点14路線)のうち大阪中央環状線内側の道路、重点14路線から防災拠点へのアクセス道路で「都市防災の向上」―10路線延長約19`(全て完了)▽駅周辺の特定道路など市町村と連携が図れる箇所で「歩行空間の確保」―9路線延長約9`(着手)▽百舌鳥古市古墳群周辺道路や市町村の市街地開発事業などの一体的に整備が図れる箇所で「都市景観の確保」―5路線延長約3`(着手)▽市街地の新設道路で「無電柱化事業の一体的な整備」―24路線延長約65`(着手)―となり、優先的に取り組む。
提供:建通新聞社