鴨川市は、2020年3月31日をもって廃止された市民会館の解体を計画している。設計については第1四半期にも指名競争入札で委託し、3〜4か月で取りまとめてもらう。委託料については、当初予算に1423万4000円を計上した。工事請負費に関しては、年度内の補正予算における債務負担行為設定や、23年度当初予算以降の予算化を検討。また、新たな市民会館について、長谷川孝夫市長は「施設整備に向けた道筋を付けるため、具体的な整備方針などの検討を開始する」との方向性を打ち出した。
市民会館は、横渚808―33の敷地面積3356・81uに所在し、ホールや会議室などで構成されていた。建物はS造平屋一部2階建て、延べ床面積2244・1u。
1969年に民間のボウリング場として建設された後、市が取得。77年8月に市民会館として開設したが、老朽化や耐震性の不足を理由として廃止に至った。
17年2月には、移転先となる「(仮称)多目的施設」の建設工事の制限付き一般競争入札を公告。しかし、亀田郁夫・前市長の就任に際して事業の見直しが図られ、財政状況を理由に入札中止となった。
21年3月には、多目的施設の建設事業を進めていた長谷川氏が市長に返り咲いた。今後、市民会館のあり方について再検討を図っていく。
さらに、当初予算には、市民会館跡地などについて公共利用や売却などの方向性を固めるため、遊休施設活用検討支援業務委託料300万円を盛り込んだ。委託に際しては公募型プロポーザルなど事業者から提案を受ける手法も検討する。
業務においては、既存施設の調査、建築基準法などの法的規制の確認、協議用図面等の作成などを実施。必要に応じて、民間活力導入の可能性も探る。
検討の対象は、市民会館跡地のほか、統廃合などにより遊休化した小・中学校施設、幼稚園、保育園など。とりわけ、旧小湊中学校、旧主基小学校、旧江見小学校、旧曽呂小学校などに関しては、地域から有効活用に向けた要望が寄せられている。
市民会館跡地については、前原横渚海岸に近接していることから、海辺の魅力づくりに寄与する活用方策を定めることになりそうだ。