甲賀市は、整備推進している上水道設備工事(更新)について、今年度当初予算に総事業費約11億円を計上、計画的に各種事業を推進していく。
工事の主なものは、管路更新整備(耐震化)として、配水管・送水管・基幹管路及び重要給水施設への配水管の長寿命化対策工事や、老朽管整備・更新など。管路の腐食または経年劣化が進行すると、管体割れや継手離脱等の漏水事故率が高くなり、漏水は、収益低下のみならず、断水や路面陥没・浸水等の重大事故にもつながる。加えて、管内劣化は水質悪化や給水能力低下の原因となることから、市は安定給水と高効率かつ低コストな水道再構築のために、各種整備を進め次世代につなげる「安全・安心」な水道維持・確保に努めていく方針だ。
なお、20年度末で口径50_以上の管路は総延長92万4859bとのこと。水道整備の指針となる「甲賀市水道事業アセットマネジメント」で、実使用年数により今後40年間で順次更新していくと、その概算費用は457億円となり、総事業費を平準化させると1年あたり約11億円換算となると示していることから、23年度以降も同等規模で予算措置を図っていく見通しだ。
市の水道事業は、昭和30年代に創設された簡易水道事業を母体として、拡張・統合を繰り返し、地域の発展と住民の生活に欠くことのできない生活用水の安定供給を行ってきた。04年度(平成16年度)に、旧5町の合併に際して水道事業においても経営統合を図るため、水口地域上水道、土山地域上水道、甲賀地域上水道、甲南地域上水道および信楽地域上水道を統合し、「甲賀市上水道事業」として創設認可を受けた。07年度(平成19年度)に中部簡易水道(信楽地域)、唐戸川地区飲料水供給施設(甲賀地域)、市之瀬地区飲料水供給施設(甲南地域)、しがらきニュータウン専用水道(信楽地域)を統合、さらに17年度(平成29年度)には鮎河・大河原簡易水道、多羅尾簡易水道の2事業を統合している。計画給水人口は10万1550人で、計画1日最大給水量は、5万7309立方b。自己水源は24ヵ所あり、浅層地下水14ヵ所、深層地下水3ヵ所、河川表流水3ヵ所、そして水利権を有する水源が4ヵ所ある。水利権を有する水源は、河川伏流水である水口第1水源と土山第2水源、そして河川表流水である牧水源2号取水井と多羅尾第2水源。浄水処理施設は14施設あり、5ヵ所の浄水場ではろ過処理(緩速ろ過方式、急速ろ過方式)を、4ヵ所の浄水場では除鉄・除マンガン処理を行っている。残りの5ヵ所は、水質が良好なため塩素消毒処理を行い、その内2ヵ所は紫外線処理もしている。
提供:滋賀産業新聞