近江八幡市は、市のシンボルである西の湖の賑わい及び魅力創出に向け再整備を計画しており、今年度内に基本方針を策定する考えで、関係手続を進めている。
具体的な策定時期は、調整すべき問題・課題が生じているため未定。年度内に方針策定、次年度(23年度)に基本計画策定へと進めていきたい考えだ。
西の湖は、現存する琵琶湖の内湖で最大の面積を有しており、08年(平成20年)にラムサール条約湿地に選定、昨年(令和3年)には旧安土町側部分が国の重要文化的景観に追加され、一帯が重要文化的景観に登録されたことなどから話題の観光拠点であるが、気候変動や水質悪化などの影響により、アオコの発生やプラスチックゴミ問題が生じていることや、地場産業の後継者不足による衰退など多くの問題を抱えていることから、大切な地域資源として再生に向けた検討を進めているところ。
11年(平成23年)に産官学民によるまちづくり推進として、滋賀県立大学・近江八幡商工会議所・安土町商工会・近江八幡市―による4者連携協定を締結し、議論を進めてきた。昨年度については会合を4回開き、▽これまでの経過を踏まえた意見交換▽基本方針策定に向けた各団体からの提案発表▽西の湖に関わる関係団体の情報共有と組織化―などを実施。去る3月23日に実施した第4回会合では、東京大学・京都大学・滋賀県立大学の学生を招き、西の湖活用提案発表会の場を設け、若い世代の指摘・意見を取り入れ、幅広い世代から理解を得られる方針策定に向け、議論を活発化させている。
3大学の学生が示した指摘・意見を見ると、にぎわいを取り戻すために▽湖水浴場の開設▽湖上キャンプ施設整備▽体験型道の駅設置▽カフェ・デッキ整備▽水上ライトアップ設備設置―などを提案し、解決すべき問題として▽廃船・放置船処理▽ヨシの更なる活用▽水質改善▽汚水浄化方法の開発―などを挙げた。
提供:滋賀産業新聞