静岡県は、建設キャリアアップシステム(CCUS)活用工事の試行要領をきょう4月1日から全ての県発注工事に適用する。受注者がCCUSの活用を希望し、現場でカードタッチできる環境を整えると、総合評価方式や工事成績評定で加点する。県はすでに入札参加資格審査でもCCUSの事業者登録を加点対象としており、資格審査、総合評価、工事成績でCCUSを評価している都道府県は、全国でも静岡県、群馬県、宮崎県の3県のみ。
2022年度の県発注工事での入札・契約制度改善の一つ。県発注の全ての工事を対象として、受注者希望型でCCUSの活用を促す。総合評価での加点を希望する場合は、入札前に評価点確認申請書で申請。工事着手前にCCUSの活用を施工計画書に記載し、監督員に提出する。
受注者は、現場にカードリーダーなどを設置し、現場の技能者が就業履歴を蓄積できる環境も整備。工事完成時に就業履歴登録を確認できる書類を発注者に提示すると、工事成績評定の「創意工夫」の項目で1点を加点する。
CCUSについては、公共工事の企業評価で加点する動きが広がっており、国土交通省の調べによると、4月までに35道府県が加点措置を導入。静岡県はこれまで、入札参加資格審査のみで加点していたが、4月から総合評価と工事成績に対象を拡大する。
一般管理費等率=前倒しで引き上げ
この他、きょう1日から入札公告する県発注の土木工事では、土木工事積算基準の一般管理費等率も引き上げる。積算基準は例年10月に改定していたが、国土交通省の基準改定に合わせ、一般管理費等率の引き上げのみは4月に前倒しで見直す。新しい一般管理費等率を適用すると、直接工事費1億円の河川工事で、予定価格を200万円引き上げる効果がある。低入札価格調査基準の一般管理費の算入率もこれまでの55%から68%に引き上げる。
提供・建通新聞社