近畿地方整備局福井河川国道事務所は24日、敦賀市と共同で、最新技術を駆使した橋梁点検のデモンストレーションを行なった。全国各地で橋の老朽化が進み点検が急がれる中、小型ドローン、打音検査機、診断支援システムの3つを組み合わせることで、機動力、コスト面で大幅な効率化が実現可能になる様子や、各機器の操作方法、メリットなどについて説明を受け、関係職員約30人が学びを深めた。
同市櫛川に位置する貯木場橋を対象に、それぞれの機器で点検を実施。まず最初にデモを見せたのは「全方向衝突回避センサー」が特徴である30センチ四方の小型ドローン。手が届きにくい支承部や狭小部分を滑らかに飛行し、設定した距離に近づくと構造物を検知し自動回避する機能を見せた。同市がことしから点検作業に導入した診断システム「Dr.Bridge」にドローンで撮影した画像を取り込み、橋梁諸元を入力するだけでベテラン技術者と同等レベルで判定する方法も紹介。
高さ6メートルまで、コンクリートの欠損の有無や深さを判定するポール型の検知機器「BLUE DOCTOR」を用いたデモでは、打撃と同時に反射波を検知することでリアルタイムに劣化を判断できる様子を確かめた。
主催者である近畿道路メンテナンスセンターの細井正也センター長は「老朽化したインフラの戦略的な維持改良を目指す」と意義を語り、視察に訪れた渕上隆信敦賀市長は「点検修繕の労力、コストも下がる新技術の将来性に大きく期待したい」と話した。