白山石川医療企業団(白山市、卜部健企業長)は、老朽化が進む公立松任石川中央病院(同市倉光3丁目地内)について、新年度に「第7次増改築工事」に向けた基本設計に取り掛かりたい考えだ。29日に開かれた22年第1回議会定例会で明らかにした。
関連事業費に7000万円を充当する。提案理由説明の中で卜部企業長は「地域の中核医療機関として企業団のあるべき将来像を見据え、安定的・効率的に医療機能を提供できるよう、既存施設の大規模な増改築について基本構想および基本計画の策定に着手する」と述べた。
これまでの中長期的な構想によると、新病院の整備場所として現病院北側のエリアが有力視されており、市街化区域に編入された。現病院の施設規模はRC造地下1階地上5階建て延べ約4万1500平方メートル。病床数は305床を備える。病院機能を今後10年間維持するための修繕費用は、空調など設備更新を含め、概算で20億円程度が必要と試算している。
同病院は1989(平成元)年に新築し、築後33年が経過。これまでに6回の増改築を実施してきたが、病室の雨漏りや配管の漏水など老朽化が否めず、毎年の補修費用も嵩んでいる。これに加え、医療機器の大型化や施設の狭あい化、多様化する医療ニーズなど病院環境の改善が必要と指摘されており、2028年度の全体完成を目指し、増改築計画を進めていくことにした。
新年度は、松任石川中央病院事業会計予算の病院建設費として2億8900万円を計上。同基本設計のほか、サイクロトロンの長寿命化工事やPET棟の空調更新工事に取り組む。