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北陸工業新聞社
2022/03/29

【新潟】岸壁耐震化へ着工式典/両津港南埠頭再編整備事業/整備局、県

 北陸地方整備局と新潟県は26日、佐渡市の佐渡インフォメーションセンター(あいぽーと佐渡)で「両津港南埠頭再編整備事業着工式典」を開いた。国および県、佐渡市、港湾団体の関係者ら約60人が出席した。
 佐渡で初となる国土交通省の直轄事業として北陸地方整備局はカーフェリー等が発着する4号岸壁の老朽化対策として耐震改良を行うとともに、県と佐渡市が中心となり南埠頭全体およびその周辺地域におけるさらなる利活用を目的に、にぎわい拠点の形成に向けた機能再編に取り組む。国直轄の全体事業費は38億円を見込んでいる。
 式では岡村次郎北陸地方整備局長が「佐渡島(さど)の金山」の世界遺産登録に向けて観光客増加が見込まれる中、港湾施設の安全性を向上させ災害時において緊急支援物資輸送を確保することが急務とした上で「両津港南埠頭の各岸壁で老朽化対策を行うとともに、4号岸壁の耐震改良工事を行う」とあいさつ。また、泉田裕彦国土交通大臣政務官は国道交通省が推進するカーボンニュートラルポートの実現に期待を寄せ「停泊中の船舶から排出されるCO2削減に寄与していきたい」と述べ、佐渡汽船と協力して陸上電力供給設備の整備に取り組む考えを示した。花角英世知事は埠頭用地が狭く駐車場や災害時の荷捌き用地不足などの課題を挙げ「老朽化対策とともに、新たな用地が造成されることから、世界遺産を目指す佐渡の表玄関にふさわしい場所になる」と期待を寄せた。また、細田健一経済産業副大臣や渡辺竜五佐渡市長らが祝辞。引き続き、林寛之北陸地方整備局新潟港湾・空港整備事務所長が事業概要を説明。最後に岡村局長や花角知事らによる鍬入之儀が行われ、事業の円滑な推進を祈念した。
 新潟港との間に就航するカーフェリー、ジェットフォイルが利用する両津港南埠頭は、供用開始から50年を迎えようとしており、施設の老朽化や社会情勢の変化に対応した埠頭再編が課題。そこで、岸壁の老朽化対策と併せた耐震強化岸壁への改良および埠頭用地の拡張を北陸地方整備局と県が一体となって進める。計画によると、国が南埠頭4号岸壁(水深7・5メートル)(改良)L=188メートルを整備するほか、県が南埠頭3号岸壁(水深7・5メートル)(改良)L=90メートルおよび南埠頭用地A=0・6ヘクタールを造成する。今後、整備局と県が5年程度かけて事業を推進し、令和一桁代後半の事業完了を目指す。

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