国土交通省近畿地方整備局は、2022年度当初予算の関係配分を公表した。予算の総額は約1兆0952億円。前年度と比べ1・4%増となった。内訳は直轄事業費約2937億円(前年度比3・2%減)、補助・交付金事業費約7738億円(同1・8%増)、国庫債務負担行為(ゼロ国債)約277億円(同38・5%増)。直轄の新規事業では、河川関係で淀川鳥飼地区河川防災ステーション整備、営繕関係で京都第2地方合同庁舎の設備改修に着手する。
各分野の予算規模は▽治水に1090億4400万円(前年度比8・3%減)▽海岸に75億円(同47・5%増)▽道路整備に3504億2100万円(同6・8%増)▽港湾整備に357億6500万円(同6・8%増)▽空港整備に1億6200万円(同38・4%減)▽都市水環境整備に76億8600万円(同28・3%増)▽国営公園等に50億3700万円(同3・6%増)▽官庁営繕に53億6500万円(同439・4%増)―を盛った。補助事業の住宅対策には578億0700万円(同17・4%増)、市街地整備には491億7900万円(同2・4%増)、下水道には377億2800万円(同53・0%増)、防災・安全交付金には2626億3800万円(同8・5%減)、社会資本整備総合交付金には1666億9700万円(同8・5%減)を充てる。
河川関係では「流域治水」の取り組みを本格展開する。大和川中流域の窪田・保田地区の遊水地整備を引き続き進めるとともに、三代川地区の遊水地の用地取得に新たに着手する。補助事業にも大和川流域特定都市河川浸水被害対策推進事業として約22億9000万円を充て、奈良県王寺町の葛下川河川改修(橋梁架け替え、河道掘削、護岸整備、掘込式調整池)などを行う。
直轄分では淀川大堰閘門整備、桂川河道掘削、由良川中流部河道掘削、加古川中流部緊急治水対策、円山川中郷遊水地整備、足羽川ダム建設などを継続。大戸川ダム建設事業ではダム本体と付け替え道路(栗東信楽線など)の関連調査・設計などを進める。
新規事業では、摂津市と連携して淀川鳥飼地区河川防災ステーションの整備に着手する他、紀の川(上野地区)無堤防解消、由良川(高畑地区)無堤部解消に着手する。
道路事業では、奈良市が管理する市道登美ケ丘中町線鶴舞橋(橋長97b)の修繕代行に直轄事業として着手する。
22年度の道路調査では、国道8号彦根〜東近江間、播磨臨海地域道路で都市計画手続きや環境アセスメント手続きを進めるための調査、山陰近畿自動車道(豊岡北〜城崎温泉)で直轄権限代行実施の検討調査を行う。
この他、主要道路では、淀川左岸線延伸部に約8億円、すさみ串本道路に約120億円、国道2号と臨港道路の大阪湾岸道路西伸部に約57億円、北近畿豊岡自動車道豊岡道路に約21億円、同豊岡道路(U期)に約3億円、野洲栗東バイパスに約54億円、大和御所道路に約85億円、相生有年道路に約19億円、大野油坂道路(和泉〜油坂区間)に約145億円、神戸三宮駅交通ターミナル整備事業に約15億円を盛った。
港湾整備では、堺泉北港国際物流ターミナル整備事業に約7億円を充てる。
官庁営繕事業では、新たに京都第2地方合同庁舎設備改修に着手、自家発電設備や受変電設備の改修など電力の確保などの対策を行う。
公園事業では、国営飛鳥・平城宮跡歴史公園平城宮跡区域の第一次大極殿院東楼復原に約25億円、国営明石海峡公園淡路地区海岸ゾーン多目的広場の整備などに約13億円を盛った。
提供:建通新聞社