国土交通省四国地方整備局は、「インフラDX推進本部会議」の第2回会合を開き、四国で進めるインフラDXの方向性を定めた。「地域建設業の担い手確保」「行政手続きや暮らしにおけるサービスの改革」「四国地方整備局職員の働き方改革」を三つの柱とし、これらに沿ってインフラDX推進のロードマップを策定した。
同局は建設会社や発注者の技術者を対象にICT活用の研修を行っており、22年度は「技術支援」と「体験・体感」の二つを軸に開催していく。例えば22年度から適用されるICT小規模工事について、小型バックホウによる施工やスマートフォンを活用した計測技術などを伝える講習会を四国4県で開く予定だ。
四国独自の取り組みとして、地域の建設業者が「使ってみたい」と思う最新技術を取り入れたモデル工事を22年度に管内で1件発注することも示した。「地域の建設業が使える最新技術を多く含む、一般土木Cランクの業者が施工する工事」をイメージする。発注規模は拡大分任官を含む分任官工事(事務所発注工事)で、工種は道路改良(土工、地盤改良、ボックスなど)、橋梁下部、河川堤防(築堤、護岸)、砂防などを想定する。併せて、若手技術者を確保するために、クラウド化や5Gを使った遠隔操作など、建設業界が「インテリジェンスで安全にも配慮している」ことを親世代にアピールできる最新技術を取り入れる方針だ。
業務委託の受発注者両方の労働生産性向上と効率化のための取り組みも行う。契約後の業務案件で、現在は主に紙で行っている帳票などの業務書類を電子化し情報共有システムで受発注者同士がやり取りするよう改善する。一部の事務所は既に導入しており、22年度はより積極的に導入するよう通知する。工事では既に取り入れているという。また、業務入札時の技術提案書などを作るための資料はこれまで来庁して閲覧のみの対応だったが、オンラインでの閲覧も可能とする。
パワーアシストスーツを建設現場に早期に実装するため、地元の建設業者を対象とする体験会も四国独自で22年度に開く。その後、制度整備の状況を見ながら、23年度に試行を検討する。
提供:建通新聞社