県南部土木事務所は、「滋賀県国土強靭化地域計画」に基づく防災を目的として、守山市幸津川町地先の「幸浜大橋」の耐震補強工事を計画。今年度、設計は完了しており施工については、早ければ8月頃の公告発注、11月頃の着工を目指す。
工期については、早くても5ヵ年の見込み。
「幸浜大橋」は昭和48年に架橋された橋台2基・橋脚6基を備える橋長326・7b、幅9・95bの鋼橋(7径間)。上部工形式は鋼単純T桁橋、下部工形式は橋台が逆T式橋台、橋脚が張出式橋脚、基礎が鋼管杭となっている。同事務所は、今回の耐震工事で橋梁の落橋防止対策として、地震時に橋梁上部が落下することを防ぐだけでなく、地震時の衝撃を確実に緩和できる落橋防止構造の緩衝チェーン、橋桁の落下を防止する対策として水平力分担構造を図り、今後の災害に備える。橋脚については、コンクリート構造物の表面に鉄筋等補修・補強材を配置し、ポリマーセメントモルタルを吹付けることにより、増厚あるいは巻立てて既設コンクリートと一体化し、耐荷性や耐久性の向上を図る工法のポリマーセメントモルタル吹付工法(PP工法)を実施する。
なお、この設計は三井共同建設コンサルタント滋賀営業所(大津市)が担当。
同事務所は、施工については毎年11月〜5月の出水期を避けて行うため、橋脚まわりには土のうを積み上げ対応するとしており、現段階では交通規制など行わず進める考え。
なお、同事務所は、第3次緊急輸送道路に指定されている同大橋を、阪神淡路大震災において得られた教訓を踏まえ、最新の基準で耐震設計を行い万全な対策を進めている。
提供:滋賀産業新聞