県は、試行を進めるICT活用工事の対象工種に「付帯構造物設置工」と「舗装工(修繕工)」を新たに追加することを決めた。22日以降の執行決裁分から運用し、発注後の工事でも受発注者協議によって対応可。併せて、これまで土工量や予定価格で線引きしていた受注者希望型は「全ての工事」に拡大し、土工量1万m3以上の工事には「発注者指定型」を適用する。
県土木部のICT活用工事は、2016年12月から試行を開始。対象工種は当初の土工に加え、21年2月から簡易型(施工プロセスの部分活用)、同3月からは舗装工と法面工を追加した。実施件数は18、19年度各15件、20年度49件、21年度(2月末現在)58件と増加傾向にある。
今回追加した2工種は、付帯構造物設置工が側溝工や縁石工、コンクリートブロック工など、舗装工(修繕工)は切削オーバーレイ工を含む舗装工事が対象。いずれも受注者希望型で実施し、工事成績評定(創意工夫)や総合評価での加点評価のほか、必要経費は設計変更で計上される。適用は22日以降の執行決裁分とするが、発注後の工事でも受発注者間の協議によって取り組むことが可能としている。
これまで、土工量1000m3以上、予定価格3000万円以上を対象としていた土工の受注者希望型は、規模で線引きすることなく「全ての工事」に拡大。土工量1万m3以上の案件には「発注者指定型」を適用し、五つある施工プロセスの全活用(できなかった場合は工事成績評定で減点措置)を求める。
■証明書発行基準
部分活用も明確化
これに併せて、ICT活用工事の証明書発行基準も明確化を図る。
施工プロセスとして示す@3次元起工測量A3次元設計データ作成(必須)BICT建機による施工C3次元出来形管理等の施工管理(必須)D3次元データ納品(必須)−の五つに対し、発行対象として該当するパターンを明示。全活用のほか、部分活用は三つのパターン(ABCD、@ACD、ACD)に限定する。適用は4月1日からとし、同様に週休2日(4週8休、4週7休、4週6休)の証明書発行基準も明確化する。
監理課技術管理室によると、22年度は地盤改良工や小規模工事(床堀工、小規模土工など)にもICT活用工事を適用する方向で検討中。「国の動きも踏まえて、中小建設業が活用しやすい仕組みをつくっていきたい」としている。