京都府は23日、PFIによる京都府府営住宅向日台団地整備事業(第1事業区)実施方針を公表した。WTО政府調達協定の対象。
向日台団地の建替えでは、団地の規模が大きいことから、南側の第1事業区と北側の第2事業区に分け、段階的に整備を進める。第1事業区の建替えは、現入居者のための住戸231戸を集中的に整備する。
事業概要はア・向日台団地1〜5棟、9及び10棟(計7棟205戸)を解体撤去、イ・事業用地の中で建替住宅を整備(整備は2期に分けて実施)、ウ・事業用地内に土砂災害対策特別警戒区域が存することについて、対策工事等必要な措置を講じる、エ・向日台団地の入居者の移転に関する業務を行う。なお事業用地のうち、建替住宅を整備する用地以外の敷地は、第2事業区に係る事業の用地としての活用を想定する。
事業方式は、事業用地内に存在する既存住宅を解体撤去し、新たに建替住宅を整備した後、府に所有権を移転するBT(BuildTransfer)方式ののPFIを採用。
事業用地は向日市向日町北山74他の約1・9f。用途地域は第一種住居地域(建ぺい率60%、容積率200%)。高度地区は第1種高度地区(なお向日市が向日台地区地区計画を策定し、高さの最高限度を15mから20mに緩和)。
建替住宅の整備戸数は231戸。住戸タイプは、2K・約40uが約30%、2DK・約50uが約50%、3DK・約65uが約20%。
住棟の規模は7階建以下かつ高さ20m以下とし、複数棟を可とする。整備にあたっては、子育て世帯の生活や将来的なライフスタイルの変化に配慮するとともに、脱炭素化にも対応する。
入札参加者の参加資格要件をみると、入札参加者は▽府の求める性能を備えた建替住宅等を設計、建設することができる企画力、資力、信用、技術的能力及び実績を有する複数の企業により構成されるグループとする▽設計業務を行う企業(設計企業)、建設工事を行う企業(建設企業)、建設工事を監理する企業(工事監理企業)及び入居者移転支援業務を行う企業(移転支援企業)により構成されるものとする。
設計企業は、▽一級建築士事務所の登録▽国、地方公共団体、地方公社、地方独立行政法人等が発注する業務で、平成19年度以降に完成した延3000u以上の建築物の新築又は増築部分が延3000u以上の建築物の増築に係る基本又は実施設計業務の元請け施工実績等。
建設企業は、特定建設工事JV(建築JV)。なお電気工事又は管工事は、特定建設工事JVが行う工事から分離して行うことができることとする(分担型JV)。
建築JVの要件は、▽構成員は3者▽自主結成されたJV等。
建築JVの代表者の要件は、▽過去1年7月以内で直近の経審における建築一式工事の総合評定値1050点以上▽国、地方公共団体等が発注する工事で、平成19年度以降に完成した延3000u以上の建築物の新築又は増築部分が延3000u以上の建築物の増築に係る建築工事の元請での施工実績▽対象経審における建築一式工事の年平均完成工事高が15億円以上。
建築JV構成員1の要件は、▽対象経審における建築一式工事の総合評定値900点以上▽国、地方公共団体等が発注する工事で、平成19年度以降に完成した建築物の新築又は増築に係る建築工事の元請での施工実績▽日本に主たる営業所を有する者の施工実績にあっては京都府内におけるものとする▽対象経審における建築一式工事の年平均完成工事高が3億円以上等。
建築JV構成員2の要件は、▽対象経審における建築一式工事の総合評定値850点以上▽国、地方公共団体等が発注する工事で、平成19年度以降に完成した建築物の新築又は増築に係る建築工事の元請での施工実績▽日本に主たる営業所を有する者の施工実績にあっては京都府内におけるものとする▽対象経審における建築一式工事の年平均完成工事高が1億5000万円以上等。
分担型JVの要件は、▽構成員は2又は3者▽自主結成されたJV▽分担型JVの協定書は平成17年6月1日付け7指第216号京都府土木建築部長通知に基づく「特定建設工事共同企業体協定書(乙型)によること」等。
分担型JVの電気工事を行う構成員が満たす要件は、▽単体企業又は特定建設工事JV。
電気JVの要件は▽構成員は2者▽自主結成された特定建設工事JV等。
電気単体企業又は電気JVの全ての構成員の要件は、▽電気工事業に係る特定建設業の許可▽国、地方公共団体等が発注する工事で、平成19年度以降に完成した建築物の新築又は増築に係る電気工事の元請での施工実績▽日本に主たる営業所を有する者の施工実績にあっては、京都府内におけるものとする▽対象経審における電気工事の年平均完成工事高が5000万円以上等。
電気単体企業の要件は、▽対象経審における電気工事の総合評定値が920点以上等。
電気JVの代表者の要件は、▽対象経審における電気工事の総合評定値が920点以上等。
電気JVのその他の構成員の要件は、▽対象経審における電気工事の総合評定値が740点以上等。
分担型JVの管工事を行う構成員が満たす要件は、▽単体企業又は特定建設工事JV。
管JVの要件は、▽構成員は2者▽自主結成された特定建設工事JV等。
管単体企業又は管JVの全ての構成員の要件は、▽管工事業に係る特定建設業の許可▽国、地方公共団体等が発注する工事で、平成19年度以降に完成した建築物の新築又は増築に係る管工事の元請での施工実績▽日本に主たる営業所を有する者の施工実績にあっては、京都府内におけるものとする▽対象経審における管工事の年平均完成工事高が5000万円以上等。
管単体企業が満たす要件は、▽対象経審における管工事の総合評定値が890点以上等。
管JVの代表者の要件は、▽対象経審における管工事の総合評定値が890点以上等。
管JVのその他の構成員が満たすべき要件は、▽対象経審における管工事の総合評定値が740点以上等。
工事監理企業の要件は、▽一級建築士事務所の登録等。
移転支援企業の要件は、▽宅地建物取引業の免許を受けている等。
落札者の選定は、総合評価一般競争入札で行う予定。落札者の選定にあたり、中立かつ公正な事業者選定が行われるよう、外部有識者から意見聴取を行う。入札公告時に公表する入札説明書に添付する落札者決定基準に基づき、入札価格及び事業提案書の提案内容を総合的に評価し、落札者を選定する。
令和4年4月に要求水準書案の公表、6月に特定事業の選定・公表、7月に入札公告、入札説明書等の公表、9月に入札参加表明書・入札参加資格確認書類の受付及び確認結果の通知を経て、10月に事業提案書の受付、10月〜11月に事業提案書の審査・ヒアリング及び採否の通知、12月〜令和5年1月に入札書の受付、開札及び落札者の決定・公表、2月に仮契約の締結、令和5年3月頃に事業契約の締結を予定。なお府議会における議決は令和5年3月を予定。
令和5年度頃から設計、各種申請手続き、仮移転住戸の補修等、6年度〜7年度頃に既存住宅の解体撤去、建替住宅等の整備等(1期)、8年度〜9年度頃に既存住宅等の解体撤去、建替住宅等の整備等(2期)、10年度頃に既存住宅等の解体撤去、敷地の整備等(3期)を予定。事業期間の終了は令和11年3月の予定。
府は、令和4年度当初予算に府営住宅向日台団地整備事業費として2082万4000円を計上するとともに、債務負担行為として限度額55億6700万円を設定。
今回の事業に係るアドバイザー企業等は三菱UFJリサーチ&コンサルティング、東畑建築事務所、弁護士法人御堂筋法律事務所。
担当課は京都府建設交通部住宅課整備係(рO75−414−5363)。