富山県と富山県建築士会は23日、富山市のサンシップとやまで、2021年度「建築士免許交付式」を開き、新たな建築士の誕生を祝った。
この日は新建築士(一級10人、二級45人)のうち、約40人が出席したほか、関係者が参加した。
式辞では、県建築士会の近江吉郎会長があいさつし、「難関の試験を見事に突破され、本日めでたく建築士になられた皆さんに改めてお祝いを申し上げる。会社、社会から期待されるものが大きくなり、仕事の領域や資格者としての責務も格段に増す。緊張感を持って、初心に帰り、しっかり日々の研さんを積み、新たな富山県の優れた建築を生み出していただくよう期待している」と激励。
さらに、「社会はAI化の流れで、労働環境も激変し大変厳しい。県建築士会では特に、防災関係に力を入れている。県および8市町村と防災協定を締結し、災害時はいち早く応急危険度判定を行う。皆さんも判定士の資格を取得し、ともに活動してほしい。また、富山の建築士会は文化財の保全など、優れたまちづくりにも一翼を担っており、全国的にも高い評価がある。ぜひとも建築士会に入会し、文化財の保存・利活用等にも尽力いただきたい。皆さんの今後の活躍を祈念する」と述べた。
続いて、近江会長が新建築士の代表者である、二級の荒木惟史さんに免許証明書を交付した後、一級の菊野美樹さんに免許証明書を伝達した。
県土木部建築住宅課の蟹谷友之課長補佐が新建築士に対し、心構えや関係法令といった今後の注意事項を説明した後、県建築士会研修委員会の川合光行委員長から、建築士会への入会案内の説明も行われた。
その後、21年の富山県建築文化賞において、「街なかのライトコートハウス」で優秀賞を受賞した、富田愛子建築設計事務所の富田愛子氏(一級建築士)による講演会「環境から導く住まいのかたち」も開催された。