県土整備部は、「建設キャリアアップシステム(CCUS)活用推奨工事」の実施要領を策定した。「受注者希望型」によって受注者がCCUSを活用する際、現場で発生する経費の一部を助成する。4月1日から施行に移す。
CCUSは23年度からあらゆる工事での完全実施が検討されており、社会保険や建退共のデータも全面移行。建設労働者の適正な評価と、事業者の業務負担軽減につなげる。
同部はCCUSの本格的な運用を控え、推奨モデル工事の実施を先行させて県内での普及率アップを目指す。
推奨モデル工事の実施期間は4月1日〜23年3月31日までとし、この間に同部が発注する全ての工事が対象。受注者希望型で受注者がCCUSを取り入れて発注者に支援を求めた場合、カードリーダー(建設労働者のICカード読み取り装置)の購入経費を支援する。
実施の流れは、受注者は工事着手前に工事打ち合わせ簿を通じて発注者と協議。受注者が建設現場の情報をCCUSに登録し、就業履歴を蓄積するカードリーダーを現場事務所に設置する。就業履歴は1回以上蓄積すれば認める。一人親方を含む建設労働者は元請け、下請けを問わない。
経費の請求は領収書の写しのほか、就業履歴数の実績を証明する書類などで確認する。
同部は「建設技能者の確保は喫緊の課題。モデル工事の導入によってCCUSを促進し、担い手の確保を後押ししたい」(県土総務課)と話している。
また、CCUSの工事成績加点についても引き続き22年度中の加点を模索。評定要領の改定時期1月に合わせた加点を検討する。
日刊建設工業新聞