内閣府が3月10日に開催した第53回国家戦略特別区域諮問会議で、スーパーシティの区域指定などについて審議し、スーパーシティ型国家戦略特別区域への大阪府と大阪市の指定が決まった。大阪府と大阪市は今後、政令の閣議決定により国から正式に区域指定を受けた後、担当大臣や首長、事業者で構成する区域会議の中でスーパーシティ基本構想を2022年度に策定する。区域会議の構成委員となる事業者を公募するかどうかは未定で、区域会議を進めていく中で決めるとみられる。22年度当初予算案には府市合わせて基本構想策定に4800万円を計上した。
大阪府市のスーパーシティ事業構想は、25年の大阪・関西万博を見据え、「データで広げる健康といのち」をテーマに取り組む。対象は万博予定地の夢洲、大阪駅北の「うめきた2期」の二つの新規開発エリア。
具体的には、空飛ぶクルマの社会実装や夢洲建設工事での貨客混載輸送、ドローンの積極活用、BIMデータの活用などに取り組む。
夢洲建設工事は、23年度に万博会場などの整備が本格化するのを機に、多くの工事現場で人や資材などが集中する作業を円滑に進めるための「夢洲コンストラクション」の取り組みを実施、23年度以降に建設プラットフォームを運用する。
規制改革については、空飛ぶクルマの社会実装や万博に関する仮設建築物などの設置に係る特例などを早期に具体化する他、新たな事項については地方公共団体と連携し、検討を進める。
また、諮問会議の民間議員からは国家戦略特区の運営について「今回候補として示された自治体の提案内容では大胆な規制改革とは言えない。今後はさらに大胆な提案を追加、国で規制所管省庁と協議調整を行い、指定から1年以内に本来のコンセプトに沿った規制改革を実現することを条件とするべきだ」「スーパーシティの募集は今後も続け、積極的な提案を募るべきだ」といった意見があった。
提供:建通新聞社